秀明中学校・高等学校は首都圏で唯一、全寮制(高校は選択制)を基盤とした「全人格教育」を実践する学校だ。開校以来、医学部・歯学部の合格率は全国の上位に入る。近年は医学部以外の難関校への進学者も増えている。
尾上純一校長
首都圏唯一の全寮制・中高一貫校である秀明中学校・高等学校。全寮制であるが故に、地方の生徒にも入学のチャンスが広がっている。
首都圏の生徒たちにとっては4泊5日を寮で過ごし、土曜・日曜は自宅で過ごすこともできる。高校は希望により通学も可能だが、実際にはほとんどの生徒が寮生活を選択している。
「寮ではムリ・ムダなくトータルな学習時間が確保できます。また、モチベーションの高い同級生と切磋琢磨しながら、勉強に集中できる環境が用意されているということはたやすく想像できるでしょう」と尾上純一校長。
学習面以外でも自立心と規則正しい生活習慣が身に付き、集団生活を通して社会で必要とされる対人能力や人間性が育まれるという。
尾上校長は、「同級生が何十人もいれば、気の合う人間ばかりではありません。人との距離の取り方や人間関係の築き方も実践的に学んでいくことになります。昨今の医療現場ではチーム医療が重視されています。そうした医療界でも当校の卒業生が高く評価されるのは、協調性やコミュニケーション能力、他人への思いやりの心などが寮生活を通して育まれたからではないでしょうか」と語る。
保護者の中には、寮生活の素晴らしさを自らが実感し、自分の子どもを同校に送り出す卒業生も多いという。
2023年春の大学入試は、医学部17人、歯学部17人が合格を勝ち取った。こうした医学部への進学実績が注目されがちな同校だが、近年は医学部以外の実績も高く、東京大学をはじめ国公立大や難関私大へも多くの合格者を出している。
「本校は長い間、医学部進学を目標とする者が多く、特に上位者は国公私立の医学部へ進学することがほとんどだったのですが、価値観の多様化により、ここ数年は、医学部以外の理系も人気です」と尾上校長は語る。
中学英語研修は
全員参加で英国へ
秀明のもう一つの特色は、独自のプログラムによる英語教育の充実だ。
同校はイギリス英語を重視しており、授業は英国人専任教員による「オールイングリッシュ」。授業以外でも英国人教員が身近にいて昼食を共にするなど、常に生きた英語を学ぶ。中学では、英国カンタベリーに所有している自前の施設で、全員参加の海外研修に臨む。現地の生徒たちとの交流の場も設けられており、英会話力の向上はもちろん、異文化を学ぶ良い機会となっている。格安で長期滞在ができるのも魅力的だ。
秀明の卒業生は、医師はもとより、弁護士や公認会計士、国家公務員、企業経営者など幅広い分野で活躍している。寮生活で培った確かな学力と豊かな人間性は、各人が選び取った道で生かされている。