2024年度、新校舎建設に伴う京華女子中学・高等学校の移転により、京華学園の3校ワンキャンパスが実現する。交流の機会が増えることで、男子校と女子校の良さを保ちつつ、プラスアルファの相乗効果が期待される。
町田英幸校長
2024年度、京華学園の「3校ワンキャンパス」がスタートする。京華女子中学・高等学校が、京華中学・高等学校(男子校)、京華商業高等学校(共学校)と同じ白山キャンパスの新校舎に移転する。
京華中学・高等学校の町田英幸校長は、「創立者の磯江潤は、当初から“3校鼎立(ていりつ)”という考え方を持っていました。3校がお互いを支えながら、学園全体を盛り上げていく。今回の3校ワンキャンパスの実現で、その思いは成就すると思っています」と語る。
大切なのは、たとえ女子生徒と同じキャンパスになっても、伝統のある男子校の個性を堅守すること。同校の校訓は「ネバー・ダイ(不撓不屈(ふとうふくつ))」と「ヤングジェントルマン」。男子生徒の本質は好きな何かに打ち込むことであり、同校には学問でもスポーツでも芸術でもジャンルは問わず、本気で一つのことに熱中する生徒が尊敬される土壌があるという。
23年度はコロナ禍が一段落し、国際先進クラスの中3が参加するセブ島語学研修や、高校のニュージーランドへのターム留学などが再開した。高2では「沖縄・タイ研修旅行」を計画、“日本から世界を知る”“世界から日本を見る”という二つの視点で学ぶのが狙いだ。「中高6年間で、生徒一人一人の“英才(秘められた才能)”を引き出し、磨いていくのが私たちの役割。ワンキャンパスで新たな刺激をもらいながら、男子教育をさらに推進し、新たな世代を生き抜く力を身に付けさせたいと考えています」(町田校長)。
女子校と共学の
いいとこ取りができる
一方の京華女子が大切にしているのは「共感力」。他者の考えや気持ちをくみ取り、その人の心に寄り添うことができる力のことだ。その共感力を育むため、グループワークを中心とした探究活動や、さまざまな体験型プログラムが用意されている。
塩谷耕校長は、「女子校の良いところは、女子がリーダーシップを発揮して、自己肯定感を高めていける点。たとえ失敗しても“大丈夫だよ”とお互いに声を掛け合う雰囲気があり、誰もが勇気を持って一歩を踏み出せる環境があります」と話す。
すでにクラブ活動(吹奏楽部、水泳部、剣道部、陸上部など)や英検講習などは、3校合同で実施している。英検講習では、リスニングやスピーキングに強い女子と、単語や文法が得意な男子という特徴が明らかになり、きちんと予習をする生徒が増えるなど、互いに良い刺激を受ける関係が築かれているという。
「ワンキャンパスになることで、女子校と共学のいいとこ取りができると考えています」と語る塩谷校長。キャッチフレーズは「シン・ケイカ」。女子校と共学のメリットを融合させた先進的な女子校を目指し、京華女子の新たな歴史がスタートする。
京華中学・高等学校
https://www.keika.ed.jp/
京華女子中学・高等学校
https://www.keika-g.ed.jp/