フランスの修道会を設立母体とし、キリスト教的価値観に基づいた全人教育を実践。「ライフガイダンス」では、「善く生きる」ことについて考え、誰かのため、社会のために生きる「自分軸」を養う。
田岡律子教諭
神から与えられた能力を、世の人々のために活かす「ノーブレスオブリージュ」の精神をモットーとする晃華学園。同校では「善く生きる」ことについて考える進路指導を「ライフガイダンス」と位置づけ、中高の6年間で多様な価値観に触れながら、さまざまな活動にチャレンジできるプログラムを用意している。
「ライフガイダンス」で特にポイントとなるのが、高校1年の入学と同時に実施される3日間の「進路学習オリエンテーション」。ここでは職業選択の視野を広げるための自己分析・適職発見プログラムR-CAPや『La vie heureuse(幸せな人生)』という晃華学園卒業生の寄稿をまとめた学園発行の小冊子を活用、生徒自身が「より善い社会をつくっていくために、自分には何ができるのか、何がしたいのか」を考える時間を取っている。
「『La vie heureuse』に登場する卒業生たちは、いわゆる著名な方ばかりではありません。あまり知られていない職業に就いている人や、悩んでキャリアチェンジした人などさまざまな生き方を載せています。どこの大学に行き、どこの会社に入ったかというのは人生においての通過点にすぎません。より善い生き方を追求した結果、途中で進路を変える卒業生もいます。共通しているのは自分の中でどう生きたいか、どういう価値観を軸として生きているかという点。それが揺るがないのが晃華生らしさでもあります。高1の生徒たちにとっては年齢も離れており、会ったこともない先輩ですが、それぞれの人生で『善く生きる』ために真摯に生きている姿を感じ取ってくれていると思います」
そう語るのは高校1年学年主任の田岡律子教諭だ。
探究型学習の集大成は
中学課題研究
もう一つの教育の柱に探究型学習がある。学習中に生まれた興味や関心を育て、調べ学習などを通してレポートの書き方、プレゼンテーションスキルなどを磨いていく。その集大成が8000字に及ぶ中学課題研究(卒業論文)だ。
さらに高校になるとその論文を「探究論文」にブラッシュアップしている。ここ数年、その探究論文がいろいろなコンテストで評価されている。日本全国・海外からの応募もある旺文社主催の全国学芸サイエンスコンクールでも3年連続で入賞者が出た。その他、チョーク再生プロジェクトstarterチームが「国際教育研究協議会会長賞」を受賞するなど枚挙にいとまがない。「全ての生徒に多様なチャンスがあり、それらの中で自分の居場所を見いだして、伸び伸びと自己表現ができる。一人一人が主役として、天から授かったタレント(才能)を伸ばすことができるのが晃華学園です」(田岡教諭)。