「行学二道」を校訓に、21世紀型能力を育む教育を行っている伝統の男子校。全国レベルの部活動や、積極的な発信を行う探究活動を通して文武両道を実践している。近年は大学合格実績も伸長、進路指導にも力を入れている。
青木謙介校長
近年、難関大学への合格実績が伸長している。2023年春は、国公立大学へ57人、早慶上理に68人、GMARCHに156人、医学部医学科に2人という実績を出した。
その背景には、生徒の潜在能力を高いレベルまで導くサポート体制がある。例えば、夜8時まで開放している自習室には卒業生のチューターが常駐し、受験に向けた実践的な勉強方法を伝授しながら、講習のフォローや個別指導などを行っている。
「進路指導部のきめの細かい対応も大きな力になっています。担任や教科担当と情報を共有しながら出願戦略会議を行い、一人一人の生徒に合った出願方法を考えます。部活動が盛んな学校なので、部活と勉強にそれぞれ集中する時期があり、生活にメリハリがつくのも良い影響を及ぼしています。生徒と教員がネットでの合格発表を一緒に確認して、皆で抱き合って喜ぶのは毎年恒例の風景。教員も一体となって受験に取り組む姿勢が、合格実績の伸長につながっていると思います」。今春就任した青木謙介新校長はそう説明する。
アントレプレナーシップを学び
海外で発表
21年、高校にグローバルコースが新設された。このコースではグローバル社会で通用する英語力の獲得とともに、真のグローバルリーダーに必要なアントレプレナーシップ(起業家精神)を学ぶ。高校2年次には、海外フィールドワークで米国を訪問、現地で活躍する起業家や投資家の前で、起業アイデアのプレゼンテーションを行う。
「グローバルコースの生徒たちは社会課題の解決のためのプロトタイプを作成、その成果を積極的にアウトプットしていきます。22年度は“ジビエを通じた人間と自然とのつなぎなおし”をテーマに掲げたチームが、高校生SDGsコンテストで拓殖大学学長賞を受賞、“小中学生が投資について学べるボードゲーム”を考案したチームは、高校生ビジネスプラン・グランプリのベスト100に選ばれ、クラウドファンディングで起業しました」(青木校長)
探究活動はグローバルコースだけでなく、難関国公立コースや総合進学コースでも積極的に行われている。“カルシウムがザリガニに与える影響”の研究をした高2の生徒は、高校生国際シンポジウムでグランプリに値する文部科学大臣賞を受賞し、シンガポールで開催される「Global Link Singapore 2023」に招待された。
「こうした活動を通して、生徒たちは知識と経験を融合し、自己肯定感を獲得していきます。本校には皆がお互いを認め合う校風があり、男子校らしく個性を存分に伸ばせる環境がある。先行きが見えない時代だからこそ、生徒たちには新たな価値を創造する力を身に付けてほしいと期待しています」(青木校長)