2022年度、「サレジアン国際学園」に改称し共学化。本科クラスとインターナショナルクラスの2コース制を敷き、「21世紀に活躍できる『世界市民』の育成」を教育目標に掲げる。ケンブリッジ国際認定校でもある。
尾﨑正靖募集広報部長
校名変更と共学化から2期目を迎えたサレジアン国際学園。初年度、男子45%、女子55%とバランスの良い編成となり、2期目もその比率は変わらないまま生徒数が1クラス分増えた。20近い国や地域からの帰国生やさまざまな国籍の生徒、国内インター生を合わせると学年の3分の1を超える。日常的に英語が飛び交い、インターナショナルクラスはもちろん、本科クラスも国際的な空気に満ちている。
インターナショナルクラスは、英語、数学、理科、社会を外国人教員から英語で学ぶアドバンストグループと、英語は外国人教員と日本人教員によるチームティーチングで学び、その他の教科は日本語で学ぶスタンダードグループに分かれる。アドバンストは入学時に英検2級レベル以上の生徒が対象で、中2では3割が準1級を所持している。スタンダードには英語力がゼロベースで入学する生徒もいるが、1年間でスピーキングが飛躍的に伸びたという。
「本校でインターナショナルティーチャーと呼んでいる専門分野を持つ外国人教員は、英語担当を含め6カ国13人います。彼らと日本人教員は教科ごとに職員室でグルーピングしており、専門用語を英語でどうかみ砕いて生徒に伝えるかなど、頻繁にディスカッションしています」と募集広報部長の尾﨑正靖教諭は話す。
また、カトリック女子修道会「サレジアン・シスターズ」が母体の同校は、世界97カ国に姉妹校がある。このネットワークを活用し、フィリピンでのボランティア研修の復活、交換留学や単位の相互交換なども視野に入れているという。
学び合いと個人研究で
世界で活躍できる力を
本科の特色は、中2から高2までの全生徒が4年間所属するゼミナール。中1で実験の方法や文章の書き方、データサイエンスの基礎などを学んだ上で、中2では八つのゼミから所属ゼミを選択する。数学の面白さをとことん学ぶゼミ、環境問題やエネルギー開発について考えるゼミ、プログラミングを学び開発するゼミなどがある。「中2、中3は週3時間、高1、高2は週2時間、同時間帯で大学のゼミナールのように複数学年が集い、学び合います。そして個人研究のテーマを見つけ、最終的には高2で最終論文を執筆します。生徒たちにはゼミの4年間を通して、学年を意識せず、飛び級のイメージで個人の力を伸ばし、21世紀に活躍する圧倒的な力を付けてほしいと考えています」(尾﨑教諭)。海外大学も視野に入れた幅広い進学支援の準備も進めている。
「国内外問わず、自分がやりたいことができる大学を明確なビジョンを持って選択してほしい」と尾﨑教諭。本科生が取り組む4年間のアカデミックなゼミ活動は、その指針となるだろう。