本当に子どもの力を伸ばす学校

「他者理解」を教育活動の根幹に据え、10年後の社会で活躍できる力を育む

創立110余年の歴史を持つ伝統校。校訓は「他者理解」。急激に変化する社会に求められる「7つのスキル」を柱とした特色ある中高一貫教育を展開。オールイングリッシュの授業「LTE」にも力を入れている。

「他者理解」を教育活動の根幹に据え、10年後の社会で活躍できる力を育む武蔵野中学高等学校 小柳成紀副校長

 武蔵野中高では、教育活動の基本的な考え方を「他者理解」に置いている。

「『他者』は人を指していると思われるでしょうが、当校では自分以外の全てのもの、社会そのものだと捉えています。コロナ禍で生活は一変しました。そういった変化の激しい社会を理解した上で、自分なりの考えを持ち、行動していくこと。それが『他者理解』なのです」

 こう語るのは、小柳成紀副校長だ。

 他者理解を育むために、同校ではグローバル社会で必要な「7つのスキル」の習得に力を入れている。具体的には「1 Share:共有する」「2 Explore:探求する」「3 Present:表現する」「4 Try:挑戦する」「5 Support:助け合う」「6 Self-Manage:自己管理」「7 Reflect:自分を振り返る」だ。

 グローバル社会で、他者を理解するには語学力が必要だ。中学の英語の授業は週10時間。そのうち6時間は、外国人教員から“英語で英語を学ぶ” LTE(Learning Through English)だ。授業ではグループワークやディスカッション、プレゼンテーションを全て英語で行っている。さらに「クロス・カルチュラル・プログラム」では国内で米国人ファミリーと共に過ごし、海外生活を疑似体験する。

 LTEで培った英語力の実践の場となるのが「ニュージーランド3カ月留学」。中学から入った高1生全員がニュージーランドでホームステイをしつつ、現地の高校生と一緒に学校で授業を受ける。2023年からマルタ島2週間の短期留学も選択肢に加わった。

「海外の同世代が自分の夢を持って頑張っている姿を見て、帰国後は生徒たちの自立心と自主性が高まります」(小柳副校長)

適性検査型とアクティブ
潜在能力評価の入試導入

 教員も「セルフチェックノート」を活用することで、生徒との他者理解を深めていく。生徒は毎日の学習内容や1日の出来事をセルフチェックノートに記入。教員はその内容を把握して、生徒と一緒に「夢」を目標に落とし込み、実現の後押しをしているのだ。「夢は自分が勝負できる土俵で努力しないとかないません。武蔵野はその土俵を教員が生徒と一緒になって探し、10年後の社会で活躍できる力を育んでいく学校なのです」と小柳副校長。

 武蔵野中高は生徒一人一人の可能性を広げることに重きを置いており、入試でも潜在能力を評価する「適性検査型入試」と、小学校時代に熱心に取り組んできたことや自分が一番得意なことを生かせる「アクティブ入試」を導入している。

 創立110周年を機に「誇り高く、共に夢を」という思いを込めて制服も全面リニューアルされた。自主性や個性を引き出す新制服で、生徒たちの可能性もより広がっていくことだろう。

「他者理解」を教育活動の根幹に据え、10年後の社会で活躍できる力を育むグループワークやディスカッション、プレゼンテーションを実践しながら、コミュニケーション力を磨く「LTE」の授業
●問い合わせ先
武蔵野中学高等学校
https://www.musashino.ac.jp/mjhs/
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