2012年3月に会社設立40周年を迎えた、丸紅コミュニティ。丸紅グループの一員として全国で受託するマンション管理戸数は12万戸にのぼる。管理員の教育には研修環境整備に加え、専用の広報誌発行などでサポートを充実させている。

マンション管理の基本は
現場の声を聞くこと

丸紅コミュニティ
代表取締役社長  吉田郁夫氏

 丸紅グループの一員として、マンション、ビル、商業施設、倉庫など幅広い不動産管理事業を、全国2000カ所で行う丸紅コミュニティ。マンション管理とそれ以外の不動産管理を両輪に事業展開している。大相撲が開催される東京・両国国技館の清掃業務も同社の受託案件だ。

 マンション管理については1500現場で約12万戸。全国18カ所の営業拠点で対応している。2012年3月、設立40周年を迎えたという同社代表取締役社長の吉田郁夫氏は、自社の特徴について語る。

「マンションの管理会社にはゼネコン系、デベロッパー系などの種類がありますが、当社は、“商社系”の管理会社というのが特徴ですね。商社が扱う商材は、資源・電力・食糧・ITなど多岐にわたり、あらゆる領域で事業展開する丸紅という商社のグループ力は大きな強みになっています」

 マンション管理業務で、実際にそのグループ力が活きる具体事例を吉田氏はあげた。

「丸紅では、インターネット・プロバイダを運営していますので、管理マンションにインターネットを導入する際は、グループ内で完結できるのが利点です。また、丸紅では、国内外で発電事業を進めており、こうした事業で培った発電や売電のノウハウを、当社の管理マンションに応用できないか検討しているところです」

 では、同社が、マンション管理事業を進める上で、こだわっていることは何か? 吉田氏はこう語る。

「まずは、マンション管理適正化法や、個人情報保護法といった基本ルールをきちんと守ること。当たり前だと思われるでしょうが、管理現場が全国に1500カ所。それらは、建物、設備、管理組合など、すべて違いますから、一律に同じ管理をすることはできません。まずはベーシックな部分をきちんと押さえる。その上で、どうするかというと、できるだけ現場の声を聞くことが大事なんです。管理マンションの担当営業であるフロントは特に、管理組合員さんや管理員の話を聞くことが基本となりますね」