スマートホーム体験型ショールームを開設
もう一つの具体策は、ショールームでの情報発信だ。スマートホームをもっと身近に感じてもらうため、リビングテック協会と共に、未来の暮らし体験型ショールーム「Life Design! HOME LAB 新宿三丁目」(24年3月まで)を23年4月にオープンした。暮らしを再現したコンセプトルームに最新のスマートホーム機器を設置して、実際に体験できるゾーンもある。例えば、玄関で「いってきます」と言うと照明が消えてカーテンが閉まり、お掃除ロボットが動き出す。
「声による指示だけでなく、スマートスイッチを使って、朝や夜などシーンに合わせた照明の明るさやエアコンの設定を使い分けることも可能です。スマートホームを導入すると、時間や心にゆとりが生まれます。そんな暮らしを想像してみてほしい」と佐藤氏は語る。
しかし、課題もある。
「居住者がライフステージなどに合わせてスマートホーム機器を選べるように、分譲時にスマートホームの基盤をどこまで整えられるかがデベロッパーの課題だと考えています。例えば、後からスマートホーム対応給湯器に変えるには、工事費がかかる上、管理組合の合意が必要です。新築時に組み込んでおいた方がお客さまに喜んでいただけるはずです」
さらに、スマートホーム機器が年々進化しているのに対し、マンションは着工から竣工まで数年を要する。このタイムラグが、スマートホームの基盤づくりを難しくしている要因の一つでもある。こうした課題の解決は、デベロッパーだけでは対応しきれない。だからこそ、同社が進める他社との共創がより重要になってくる。佐藤氏は、ショールームに、新たな共創パートナーを見つける場となることも期待していると言う。
市場拡大が見込まれているスマートホームだが、普及率は欧米に比べるとまだかなり低い。リビオライフデザイン総研では、スマートホームがキッチンやトイレなどと同じように住宅設備機器として“あることが当たり前”となるように、社内・外と連携することで知見を深め、普及に努めていく方針だ。
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