エレベーターの扉に情報コンテンツを投影

不動産周辺領域をDX化し顧客満足向上と収益を両立 新たな街づくりに挑むエレベーター内を小さな劇場に変えるエレシネマ事業

同社のもう一つのノンアセット事業がエレシネマ事業だ。

従来のポスターやディスプレイを活用したエレベーター内でのコンテンツ配信とは違い、プロジェクターを使ってエレベーターかご内の前面扉上部に、大画面で迫力のあるコンテンツを投影する。システム導入先は、2023年9月にすでに2000件(エレベーターホール共用部に設置するサイネージを含む)を超えた。

不動産周辺領域をDX化し顧客満足向上と収益を両立 新たな街づくりに挑む三菱地所
新事業創造部ユニットリーダー兼5Gインフラシェア事業室室長
長谷川義博

新事業創造部ユニットリーダーの長谷川義博氏は、投影するコンテンツについて「オフィスワーカーにとって有用なニュース、天気予報、防災情報、仕事をする上で気づきになるような情報、あるいは近隣の店舗の情報などを提供しています」と語る。

広告効果が高いので、コンテンツは無料で提供。また複数のフォーマットを用意して、ビルのオーナーやビルを管理するプロパティマネジメント会社が自分でコンテンツを制作できるようにもなっている。これまでチラシで告知してきたメンテナンスやイベント情報なども視認性・反復性が高い告知で確実に周知されるはずだ。

エレベーター内という弱電波環境にも耐える映像配信システムを採用し、扉の開閉を検知するセンサーによってドアの開閉に合わせて放映が開始・終了するので、利用者にも心地良い視聴体験となるだろう。