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 新規立地計画の理由・背景を見てみると、「手狭感の解消」が最も多く、以下に「老朽化」「再編・集約」などによる効率性の向上や、「需要増」「市場開拓」等への対応が続いている(図3参照)。

 このように、厳しい経済環境の中でも企業の立地意欲は健在で、このまま立地計画が進めば3年以内の早期に具体化し、新たな用地需要の創出につながるとも考えられる。

海外市場を狙う植物工場
エネルギー分野も注目

 次に、国内立地の特徴的な動きを見ていこう。

 自動車産業は、拠点や関連企業再編を通じて技術競争力の向上を目指す動きが目立っている。例えば東北地域で拠点を展開するメーカーは、コンパクト車を主力にして現地調達化センターの新設や、人材育成施設を開校(本年4月予定)するなどの投資を進めている。

 一方、ポスト自動車として期待される航空機産業は、米ボーイング社の「B787」や三菱リージョナルジェットの量産化に伴い、各地で新規投資や生産能力増強が図られているほか、新規参入や受注拡大を目指して、官民が一体となった活動が行われている。

 高齢化の進展に伴い成長が見込まれる医薬・医療機器産業分野は、医薬品の研究開発拠点の展開が見られるほか、医療機器、介護用品、健康食品など幅広い分野での投資や異業種の新規参入が期待されている。新しい動きでは、農業分野で海外市場をターゲットにした大規模植物工場の計画が進んでいる。

 また、エネルギー分野では、車載用二次電池への投資が活発で水素燃料電池の開発も進んでおり、市場普及に向けて動いている。さらに、水素エネルギーを利用した新たな産業・社会の仕組みが検討されているほか、国内産バイオ燃料の開発などエネルギー革命を期待させる動きも見られる。

企業戦略を捉えた
誘致政策が重要に

 こうした企業側の動きを後押しし、国内立地を増やすためには、経済対策や成長戦略の着実な実施によって、国内の投資環境やビジネス環境を整備し、企業にとって魅力のあるものにすることが必要だ。さらに、高度先端部材の生産・輸出基地としての競争力を高めていくことも必要である。

 企業の設備投資は、競争力の向上を目指した投資や、成長が期待される産業への参入を目的とした投資など戦略的になってきている。これからの誘致活動は、企業の立地戦略を的確に捉えるとともに、技術力や人材の高度化を進めて、立地企業のイノベーションを支援する体制づくりが一層重要となってくるだろう。

図1~図3概要データ
出所:日本立地センター 産業立地部「新規事業所立地計画に関する動向調査」(2)製造業
対象企業:全国の製造業、資本金2000万円以上、従業員20人以上を条件に20,000社を抽出
実質発送数:19,988件
回収数:3,040件
実施期間 2012年10月9日~10月31日
回答内訳 「新規立地計画が」
 ある 373件(12.3%)
 ない 2,554件(84.0%)
 わからない 106件(3.5%)
 無記入 7件(0.2%)

 

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