世界で40万台の
実績を持つAED

「パワーハートG3」には、心肺停止患者の状態(胸郭インピーダンス)を瞬時に判断して、適切なエネルギー量(電気ショック)を調整する“STAR Biphasic”というテクノロジーが搭載されている。インピーダンスとは、電流の流れにくさを表す量のこと。同製品では、患者に電極パッドを貼るとインピーダンスを自動的に測定して、その人の体格に合わせた最適なエネルギー量を調整してくれる。この除細動コントロール技術は、世界で約40万台のCSC社製のAEDに搭載され、18ヵ国の航空会社をはじめ、米国では軍や沿岸警備隊、英国では救急隊などに採用されているという。

「AEDで重要なのは、心肺停止患者の心電図を瞬時に分析する技術。要するに心電図を正確に測定し、電気ショックを与えるべきか否かを判断する大切なプロトコルの部分で、CSC社はそのコア技術のテクノロジーが際立っていたのです」(平井部長)。まさにAEDの“心臓部”の性能がCSC社と契約を結ぶ決め手となったのだ。

 現在、国内では年間6万人以上の人が病院外で心肺停止を起こし、死亡率も極めて高い。地域社会に必要な設備として、AEDのさらなる普及が求められていく中、オムロンヘルスケアにとって、「ホームメディカルケア」の延長線上にあるAED販売事業は、人々の健康づくりに貢献する同社のチャレンジの最前線なのである。

3ステップの簡単操作初めての人でも確実に操作できる
「パワーハート G3」

「パワーハート G3」の特徴は、初めての人でも「迷わず簡単に正しく使える」ことに尽きる。一般の人がAEDを使用する場合、とても冷静ではいられない。ましてや一刻を争う場面である。だが講習を受けていない人でも、万一のときに使用できなければ意味がない。その状況を考え抜いて、「迷わず簡単に使える」工夫が凝らされている。

 フタを開けると、電源が自動的にONになり、音声ガイダンスが始まる。つまり、電源ボタンで迷わずにすむのである。後は音声ガイダンスに従えばよい。やることは、「除細動パッド」を、心臓を挟むように胸に貼り付けるだけ。極性のないタイプなので、左右どちらを張り付けても正常に作動する。そしてAEDが電気ショックの必要があると判断すると、ショックボタンが点滅するので、ガイドに従って「ショックボタン」を押せばいい。

 音声に加えて液晶画面でも操作手順を知らせてくれるので、騒音の多い屋外などでも、落ち着いて操作することができる。つまり、本体のフタを開け、パッドを貼り、機器の指示に従ってショックボタンを押すだけ、という3ステップしかないのだ。

 もう一つの特徴が、簡単でわかりやすいセルフチェック機能だ。AED自体が毎日、バッテリーのチェック、内部回路のチェック、除細動パッドのチェックを行い、7日・28日ごとに放電テストを行う。異常があった場合は、スタンバイ表示が赤色に変わり、30秒間隔で断続的にアラームが鳴る。さらに高い堅牢性を持ち、搬送中の落下事故にも備えている。除細動パッドやバッテリーなど、消耗品の交換時期を事前に知らせてくれるサービスもある。まさに万全の体制で、われわれに「人の命を救う」勇気を与えくれるのである。