経済効果につなげた
「O2O」の成功事例

 また、ネット(オンライン)からリアル(オフライン)への動線を引くことで、「O2O」という新たなビジネス戦略への発展も実現している。さまざまな企業・自治体とのタイアップ事例がその証拠だ。O2O事業部の荒木健功氏は語る。

「ある目的地に向かって利用者が行動すれば、それは“集客”につながります。JRをはじめ鉄道、航空会社とのタイアップよる旅客数増、大丸松坂屋百貨店などで行った販売促進、墨田区・港区商店街連合会と協力した地域活性化など、さまざまなタイアップを実現してきました。ゲームユーザーには、特別なステージを巡る楽しさとスペシャルアイテムの提供、企業や自治体には集客増による経済効果。双方にメリットがあるスキームを提案できていると思います」

 BtoBかBtoCか。そう分けて考えるのではなく、ネットからリアルへの新たな動線によって、ユーザーも協賛企業・自治体も、参加するすべての人が恩恵を享受できる。それが「ケータイ国盗り合戦」が示す、O2Oの成功モデルなのだ。

Column
タイアップイベントで
販売促進や地域活性化を実現

「ケータイ国盗り合戦」のタイアップは鉄道利用との親和性が高い。昨年は、JRグループ6社と共同で行う、全国100カ所の制覇を目指すスタンプラリーを冬と夏連続で開催し、合わせて約40万人が参加した。

 開店と同時に長蛇の列ができたのが、東京と梅田の大丸松坂屋百貨店で行った「大丸くにふだ漫遊記」。買い物金額に応じて「くにふだ」というカードがもらえ、シリアルナンバーを端末に入力することでスペシャルアイテムをゲットできる。6日間で5000万円を超える売り上げを達成し、百貨店からも高い評価を得ている。

 地域活性化イベントとして話題になったのが、墨田区・港区商店街で行った「2大タワーを取り戻せ!」。東京スカイツリーと東京タワー周辺の街を巡るスタンプラリーで、「食事をして、遊んで、最後は銭湯で汗を流して帰る。そんなストーリー性も自然と生まれました」と荒木氏は言う。431店が参加した商店街側は当初半信半疑だったが、あまりの人出の多さに驚いたという。期間中に延べ13万人を動員、4000万円を超える売り上げを達成した。

 こうした事例を受けて、マピオンには、全国の企業・自治体からの問い合わせが増えている。

「大丸くにふだ漫遊記」
(大丸松坂屋百貨店)
「2大タワーを取り戻せ!」
(墨田区商店街連合会・港区商店街連合会)
2011年から実施されている「大丸くにふだ漫遊記」では、ゲーム向けの先着限定の福袋が用意され、これを目当てに長蛇の行列ができた。 今年1月~2月に行われた「2大タワーを取り戻せ!」は、QRポスターを探すスタンプラリーと「くにふだ」を介したアイテム入手で多くの参加者を動員した。