薬師寺さんの心を動かした本格派アイアン

長さが調整できるピンの『スコッツデールTR』パター。中井学プロの説明を聞きながら、薬師寺さんも実際に試していた。

 アイアンで薬師寺さんが絶賛したのは、本間の『TW717M』とキャロウェイの『Xフォージド』。どちらもアスリート仕様の本格モデルだ。

 特に後者は薬師寺さんも2011年モデルを保有。「だいぶ進化しています。抜けがよく、打感も柔らかい」との説明を受け、心を動かされた様子だった。

 パターでも名門メーカーから革新的な新製品が誕生した。

「ピンでは、31インチから38インチまで長さが調節できるパター『スコッツデールTR』が画期的でした。ブースにいた中井学プロは、長さ調節以上にフェースの溝を強調していましたね。『溝の中央がへこんでいて、左右はへこんでいないので、芯に当てても芯を外しても、ほとんど距離にバラツキがない』って」

ギアに注目するとTV観戦はもっと面白くなる。

 ボールでは、タイトリストがよりソフトになった『プロV1』と、さらに飛距離性能が伸びた『プロV1X』を発表。早くもルーク・ドナルドや藤田寛之が新ボールで優勝している。薬師寺さんは、タイトリストに対抗する国内メーカーに着目。

「インターネットやスマートフォンで質問に答えていくと、その人に最適なボールを選んでくれる、ブリヂストンスポーツの『ボールナビ』が面白かった。ボール選びはすごく大事で、ちなみに私の診断結果は『X01』が第1推奨でした。

 ダンロップの『ゼクシオXDエアロ』はディンプルがいろいろな形状になっているんです。形が違うんだから飛び方も違うじゃないかと思ったんですけど、メーカーの方は『どこで打っても同じように飛ばないといけないというR&Aのルールをクリアしています』。空気抵抗が減った分だけ飛ぶそうです」

 続いてはシャフト。

「グラファイトデザインでは、タイガーのシャフトを教えてもらいました。ツアーADの『DI-6』の45インチで、バランスはD4。チップ(先端)を1.5インチカットしてるので、『DI-6』の割には結構重量感があるんです」

世界一の飛ばし屋が選んだ日本製シャフト

「USTマミヤは、世界一の飛ばし屋ニコラス・コルサーツが『アッタス3』を使用。去年、宮崎に来ていたときに使って、『こんなにいいシャフトに巡り合えたのは久しぶりだ』と持って帰ったんです。キャディも『彼がいいと言ったのは久しぶりだ』と驚いていたとか」

 最後に、ウエアについても触れてもらおう。

「カッター&バックは今田竜二選手が契約するブランド。去年からロゴが変わりました。シンプルで、派手派手しくないデザインは今田選手にぴったり」

 駆け足でフェアを巡った薬師寺さんが、総括する。
「今年もマキロイがナイキに移ったり、大型選手の移籍がありました。クラブというのは下着と同じくらいデリケートなもので、着心地が違ったらムズムズします。だから変えるって勇気がいる。でもいいクラブに出合ったら、より大きなトーナメントで勝てるチャンスもあるわけで、その喜びがあるんです。

 ドライビングディスタンスが伸びたり、フェアウェイキープ率がよくなったり。ギアで助けられる選手は多いんです。今日もいろいろギアを見てきましたが、トーナメント観戦でもギアに注目すると面白いですよ。『あの選手、パターをまた替えてきたのか』とかね。クラブ選びは、皆さんにとってもすごく大事なことですから」