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業務の効率化や
コスト削減に効果

 しかし、「BtoCのサービスは増えているが、マネタイズに成功している例はまだ少ないのではないか」と丸田氏は指摘する。消費のパイ全体が伸び悩む中で、新しい仕掛けをつくっても、結局はパイの食い合いに終わる可能性もある。消費自体の拡大にどう結び付けるかは、まだまだ工夫の余地がありそうだ。個人情報としての位置情報の利用にも細心の注意を払う必要があるだろう。

 一方、BtoB分野では、地図を業務に活用した成功事例が増えている。

 「例えば、バイク便の会社があります。その会社は位置情報と地図を使ったシステムを導入し、配送ルートの指示などに活用することで、効率的な配送が可能になり、コストを大幅に削減することに成功しました。物流に限らず幅広い業種で、業務の効率化やコスト削減に、位置情報サービスが使われていくことになるでしょう」

 海外では、日本と違った地図の利用が普及しつつある。例えば欧米などの農業大国では、農機にGPSを搭載し、種まきや肥料の散布を自動的に行う仕組みが普及している。また、GPSを活用して盗難自動車を追跡するサービスを提供している会社もある。

 ただし新興国では、こうした動きはまだまだこれから。日本のソリューション会社にとって、新興国の開拓は狙い目といえるかもしれない。

地図市場の成長を
国もバックアップ

 丸田氏は、位置情報の活用がこれから期待される分野として、交通、ロボット、農林水産業、防災などを挙げている(図)。例えば農林水産分野では、森林保全のためにGPSと位置情報システムを活用することで、現場の山林で正確な情報収集が行えたり、作業に必要な図面の作成が大幅に効率化できたりするという。またGPSをラジコンヘリに搭載すれば、災害時の航空写真の撮影をスピーディーかつ低コストで行える。

出典:野村総合研究所「ITソリューションフロンティア」Vol.29 No.1内の表を加工

 こうした活用はすでに行われていることであり、その成功事例が知られるようになれば、他の業界や地域にも広がっていくだろう。

 国も地図産業の育成に向けた施策を打っている。例えば、日本独自のGPS・準天頂衛星を20年までに4基を運用させる計画だ。実現すれば、今までよりも高い精度で位置情報を測定することができ、より高度なサービスが可能になる。

 進化する地図・位置情報サービス市場に熱い視線が注がれている。

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