――今年1月1日付でNIPPON EXPRESSホールディングスのトップに就任されました。
厳しい経営環境の中で、“ありたい姿”を示した長期ビジョンの実現に向けて全力を尽くすことが私の使命です。目標に到達したときにどんな景色が見えるのか ―― 若い従業員の皆さんにこれまでと違った景色を見せることができたらと願っています。
NIPPON EXPRESSホールディングス 堀切 智
社長執行役員
5年間で海外売上高を倍増 M＆Aに注力
――今後5年間の経営指針となる「NXグループ経営計画2028」がスタートしました。グローバル市場での成長加速に力点が置かれています。
本経営計画は、前経営計画に続くセカンドステージとして、長期ビジョンを実現するために「何をしなければならないのか」をバックキャストしながら策定しました。37年にグループ売上高4兆円、そのうち5割（2兆円）を海外で計上していくという目標を達成するため、28年までの5年間ではグループ売上高3兆円、うち海外売上高1兆2000億円、海外売上高比率40％という目標を掲げました。計画期間中に海外売上高をほぼ倍増するというもので、正直なところ、ハードルは高い。オーガニックな成長だけでは実現が難しいため、M＆Aを積極的に進めます。M＆Aについては、投資資金として今後5年間で、2000億円を振り向ける計画です。
今年1月には、オーストリアに本拠を置く大手物流会社、カーゴ・パートナー社の子会社化が完了しました。同社は、NXグループが手薄だった東欧、中欧を中心に強固なグローバルネットワークがあり、双方の輸送網や顧客基盤を融合させることで大きなシナジーが期待できます。当社にとって過去最大のM＆Aであり、グループ全体でPMI（買収後の経営統合作業）に取り組みます。
一方、オーガニックな事業成長も欠かせません。前経営計画で立ち上げたGBHQ（Global Business Headquarters＝グローバル事業本部）を司令塔にして、グローバル企業を中心に顧客の課題を解決するアカウントマネジメントの体制をさらに強化していきます。NXグループの強みを生かしたエンド・ツー・エンドのソリューション提供も加速。航空や海運など個別の輸送サービスにとどまらず、ビジネス領域を拡大して事業成長を図ります。
