足りない分を補てん
使いながら運用する

ファイナンシャルリサーチ代表
深野康彦氏

業界屈指のベテランFPとして、メディアや講演活動などを通じ、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。

 深野さんが薦めるのが「使いながら運用する」というやり方。

 預金は引き出してしまえば減るだけだが、毎月、定額で分配金が払われる投資信託などを活用すれば、必要な額を取り崩しつつ、残りの資産を運用できる。年金や収入で足りない生活費を補填しながら、物価上昇分の資産の目減りをカバーすることも期待できるわけだ。今年度から、厚生年金の受給開始が61~65歳まで段階的に引き上げとなる。その間の“つなぎ年金”としても、毎月、定額の受け取りは活用度が高い。

 ただし、使う額よりも多く受け取っては運用効率から考えても意味がない。「毎月のキャッシュフローを洗い出し、補うべき必要額に合ったファンドを自分で選ぶことが肝心」と深野さん。まずは、自身の家計のバランスと今後、予定されている物価上昇の動きを見比べ、長期スタンスで、運用商品のチョイスを検討したい。