彼らは、「今こそが千載一遇のチャンス」とばかりに、「アベノミクスでインフレが本格化し、住宅価格や金利が上昇する前に早く購入した方がお得」「消費税増税が始まってから買うと負担が増える」といった宣伝文句を繰り出し、消費者に住宅購入を促すべく、奮闘している。冒頭で紹介した男性も、こうした宣伝文句に焦っている側面があるだろう。

ある程度の勉強と情報収集は必要
焦らず資産価値を見極めるべき

 しかし、初めて住宅を購入する人とって、潮目を正確に判断することは難しい。アベノミクスへの期待が膨らむ今は、家探し家族にとって本当に住宅の「買い時」なのだろうか。

 前出の中山氏は、「一般に市況が動きやすいときは、不動産を購入するタイミングとして頃合いよしと考える人が多くなる」と前置きしつつ、こう警鐘を鳴らす。

 「当然のことですが、不動産は高額な商品のため、ある程度の勉強と情報収集が必要。洋服やパソコンなどの消費材とは違って、好みを基準にして買ってしまうのはリスクが高い。居住用の物件を買うとしても、『将来いくらで売れるのか』『いくらで貸せるのか』という出口の部分も精査しておかないと、資産価値が目減りしてしまうリスクを負うことになります」(中山氏)

 また、来年4月に消費税が8%に上がることから、不動産の駆け込み需要が見込まれているが、これも吟味の余地がある。安倍首相は景気動向を判断して増税を実行するかどうか決めるとしている。今後は参院選の集票を睨んで、増税の先送りに動く可能性もある。そう考えれば、焦って買わずにしばらく状況を見据えるのも手だ。

 総じて、「不動産価格が上昇するタイミングが本当に訪れるかどうかについては、可能性の域を出ず、現段階では慎重な見方をしたほうがいい」というのが中山研究員の見立てだ。

 「仮に消費税が予定通り上がったとしても、たとえば5000万円の物件を購入するとして、消費税が8%に上がる場合の価格をざっくり計算すると、100万円いくかいかないか程度。情報に踊らされず、物件のポテンシャルをきちんと確かめて買うほうが重要です。それを考えずに不動産に飛びつくのは危険です」(中山研究員)

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やはり家を購入したい人が注目すべき、必須ポイント

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