Photo:PIXTA燃油サーチャージを国際線だけでなく国内線にも導入する動きが広がりそうだ。JALが2027年春に導入を決め、ANAやスカイマークも検討中と報じられた。乗客には旅費の値上がりにつながり、マイレージの特典利用にも影響が出る負担の大きい話である。なぜ、このような事態になったのか。(ライター 前林広樹)
えっ国内線でも燃油サーチャージ!?
JALは決定、ANAとスカイマークは検討中
JALが国内線にも燃油サーチャージを導入する(2027年春)と明かした。スカイマークも同時期での導入を検討し、ANAも検討中と報じられた。
国内線でもサーチャージを適用する例は、静岡空港を主要拠点とするフジドリームエアラインズが先行している。同社は5月発券分で2800~3000円のサーチャージを適用する。JALは2例目となり、他社も追随する可能性が高い背景には、もちろんイラン情勢による原油高や円安の影響が挙げられる。
ただし、それだけではない。実はJALは、イランと米国・イスラエルの戦闘が始まる前に、決断していたとみられている。戦争開始から間もない3月2日発表の「JALグループ経営ビジョン2035」にて、導入を明記しているからだ。
そもそもJALやANAの国内線は羽田~新千歳、福岡、那覇など世界屈指の乗客数を誇る路線が複数ある。LCC(格安航空)など新興勢力の影響も少ない、すこぶる安定した「ドル箱路線」などと呼ばれていた。
しかし、コロナ禍が潮目を変えた。まず、オンライン会議の普及で出張需要が減少し、現在もその需要は戻り切っていない。さらに、円安の進行で燃油調達コストが増え、国内線の収益力は急低下した。
特に出張需要の減退は、一般的な旅行者向けと違って高単価だったため、JALやANAの利益を大きく削るものになった。
ただしこの間、訪日外国人(インバウンド)客が増えたのではないか?と思う読者もいるだろう。実際、JALやANAを利用する外国人客は増えた。が、こと国内移動においては新幹線のほうが優勢なのが実態だ。日本を訪れる外国人は、新幹線に乗ること自体をアクティビティのように楽しみにしている人が多い。



