受け入れ企業、外国人材
双方に質の高い支援
――デジタルとリアルの両面でどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
三石 企業向けには、外国人材の受け入れに関する国の手続きから生活面のトラブルまで、包括的にサポートする「オールインワンシステム」を提供しています(図1)。また、悪質な送り出し機関と日本企業が関わるリスクを回避するため、現地で開拓してきた送り出し機関を紹介するウェブサイト「Sending Navi」を開設しました。また、外国人材に対する支援として研修施設「エデュック アカデミー」で、日本で生活する上で欠かせないルールやマナー、さらには「5S」や「報・連・相」といった日本ならではの働き方を教えます。
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――外国人材が日本企業に応募するためのサービスは、どのようなものがありますか。
三石 特定技能外国人・技人国(*)の仕事探しをサポートする求人プラットフォーム「Mintoku Work(みんとくワーク)」があります。8カ国の言語に対応しており、ユーザーの悩みやキャリア相談に対応する外国籍のコンシェルジュも約100人在籍しています。コンシェルジュはオンライン対応のみならず、全国各地の事業所に配置され、現地ですぐにサポートできる体制を整えています。日本で技能実習や就労経験がある人材を優先的に採用しているので、日本で働く外国人材の不安に寄り添った対応が可能です。
また、職場環境やキャリアパスなど、求職者が本当に欲しい情報にアクセスしやすいように工夫しています。質の高い募集案件が多く掲載されていれば、優秀な人材が応募したいという求心力が高まり、定着率も上がります。これは当社が長年提供してきた日本人向け人材サービスで得られた知見です。安心して働ける環境やスキルマッチング、キャリアパスを描けることが、人材の定着や活躍につながる重要な要因であることは、日本人でも外国人でも変わりません。成果を上げる企業に共通するのは、日本人・外国人の区別なく「共に働く仲間」として向き合う意識が根底にあると、これまでの支援で感じています。
宮林 ただし、都市部と地方では、外国人も受け入れ企業も直面する困難が異なるので、それぞれに合った支援が欠かせません。一方で、必要であれば全国どこでも同じ支援を受けられる質の担保も重要です。だからこそ、オンラインのみならず対面でも全国展開している私たちの強みが生きるのです。そうした取り組みが取引企業からの信頼につながっています。
*「技術・人文知識・国際業務」の略。外国人が専門的技術や知識を生かし、即戦力として高度な業務に就くことのできる在留資格