さまざまな選択肢を検討した結果、最終的にIBMが中国・大連に置くBPO拠点への業務移管が決まった。業務の現場をバンコクから大連へと移すプロジェクトには、日本の本社も関与する。それは、三ヵ国の密接な連携が必要なプロジェクトである。

BPOの担い手として
IBMが選ばれた理由

 業務委託先としてIBMを選択した理由について、桑野氏はこう説明する。

「データ入力や伝票整理といった業務だけでなく、分析を含めた、かなり高度な業務もあります。前者だけならアウトソーサーの選択肢は多いと思いますが、後者を含めて任せるとなるとそうはいきません。この分野で経験豊富なIBMが最適と考えました」

 また、東燃ゼネラル石油執行役員人事担当の佐々木英明氏は次のように話す。

「グローバル標準の考え方やプロセスにおいて、当社とIBMには共通点が多い。その意味では親和性が高く、すぐに話が通じるようなところがあります。業務をEnd to Endで任せられるだろう、お互いにメリットを得るWin-Winの関係を構築できるだろうとの期待感がありました」

 BPOの担い手がIBMに決まったのは2012年6月。2013年の第1フェーズ完了まで、残された時間は半年しかない。この限られた時間で、バンコクの業務を大連に移さなければならない。

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