AI活用とガバナンス構築表裏一体で変革を実現

 責任と信頼を担保するAIガバナンスを実現するには、専門家の知見を活かしながら、全社的な取り組みを推進する必要がありそうです。

島田:AIがもたらす機会とリスクは、特定の部門だけでなく、幅広い部門に関係するので、効果的なAIガバナンスを構築するには、関連する各部門や外部のプレーヤーを含むマルチステークホルダーと連携しなければいけません。

 モデル開発に関わるIT部門やDX部門およびそれを支援する外部ベンダー、法規制に準拠する法務部門、内部統制をリードするコンプライアンス部門、データのオーナーである事業部門、顧客への説明責任を負う顧客対応部門など、AIシステム・サービスの開発、提供、利用の状況に応じ、臨機応変にステークホルダーと連携を取る必要があります。

 適切なタイミングで適切な相手と調整し、迅速に連携を確立することが重要ですが、組織が拡大するにつれて、その舵取りは難しくなります。

 KPMGでは、多くの企業のリスクマネジメントやデジタルガバナンスの支援を通じて、幅広い関係者を巻き込み、調整するプロセスを企業リーダーの皆さんとともに歩んできた豊富な経験と実績があります。AIガバナンスの構築においても、当社のサービスを上手に活用していただきたいと思います。

 革新的なテクノロジーが登場すると、人はその変化に振り回されがちですが、組織や社会をよりよい方向に進化させるために人がテクノロジーをうまく活用する必要があり、このプロセスでサポートすることが、私たち専門家の使命だと自覚しています。

熊谷:当社は「KPMG Trusted AI」と呼ぶグローバル共通のフレームワークを構築し、AI活用戦略を支えるAIガバナンス構築を支援しています。AIガバナンスの必要性は十分認識されているものの、具体的に何をすべきか、どのように進めるべきか、試行錯誤している企業が多いのも事実です。KPMGはAIガバナンスの目標や実現レベルを明らかにし、実施すべき手順を体系的かつ計画的にプロジェクトに落とし込み、そのうえで、クライアントと一体となって運営していきます。

 AI活用とガバナンスを両輪で推進するには、全体を俯瞰する司令塔機能の強化が不可欠ですが、KPMGはその司令塔に寄り添う伴走者として、AIを活用した企業変革に貢献したいと考えています。

 

 

◉企画・制作|ダイヤモンドクォータリー編集部
◉ 構成・まとめ|田原 寛  ◉撮影|洞澤佐智子