【将来性は?】
大人向けブランドおよび靴事業を、新たな「稼ぐ力」に!

 バロックジャパンリミテッドは25年4月、中国事業の合弁相手に、保有する合弁会社2社の株式を譲渡した。昨今の中国における景気減速のリスクヘッジによるものだが、中国事業から撤退するわけではない。

「MOUSSY」「SLY」の代理店販売により、ロイヤリティ収入を継続的に確保できる。今後は、中国未導入のブランドを新規に展開するなど、戦略を変えて事業を拡大させる計画だ。

 一方、国内では、創業当初から同社のファッションに親しみ、40~50代になった顧客をターゲットとして、新しい大人世代向けのアパレルブランドの開発を進めている。

 また、旗艦店であるThe SHEL’TTER TOKYO東急プラザ表参道「オモカド」店では、衣料品に限らず、化粧品・雑貨など、国内外の旬なコンテンツをセレクトしたテストマーケティングにも注力している。

 さらに、中国最大級の靴製造小売業者であるBelle社との共同開発で、国内市場向けに靴事業を展開する。25年6月には、新たな靴ブランド「73Hours」のポップアップストアを開始した。

 大人向けアパレル、靴ブランドという2つの新たな「稼ぐ力」で、収益の拡大を目指す。

【IRレポート/バロックジャパンリミテッド】カジュアルデニムを中国や北米でも販売! 世界に「ギャル文化」を発信するアパレル企業旗艦店のThe SHEL’TTER TOKYO東急プラザ表参道「オモカド」店。多彩なテストマーケティングが行われている。

【充実の株主還元策】
最大で年間5万2000円相当! 株主優待制度を大幅に拡充

 バロックジャパンリミテッドの株主には、同社のファッションをこよなく愛する人も多い。そんなファン株主に感謝を込めて、今期から株主優待制度を拡充した。

 従来は、500株以上の保有で年間8000円相当が最大だったが、新たに長期保有優遇制度を導入。1000株以上を3年以上保有すると、年間5万2000円相当の優待券がもらえる(下表参照)。

 また、同社は継続して安定的に株主還元を行うことを基本方針とし、26年2月期も、例年どおり年間38円の配当を予定している。