過熱しているときほど
資金管理は冷静に

 ストックの投資先の候補となるインフレに強い資産とは、株式や投資信託、不動産、金などのコモディティなどだ。

 これらは原則として、現金の価値が下がる局面では、逆に価値が高まってくる。現に、株高や不動産売買の活発化は始まっており、「この勢いに乗じない手はないでしょう」と藤川氏。

「政府がやろうとしている成長戦略を考えれば、今リスクを取ってでもインフレに強い資産に投資したほうが、長期的な資産防衛につながるはず。それは同時に、資産を一気に殖やすチャンスでもあるので、リスクを恐れ過ぎないほうがベターといえます」

 注意すべきは、資産インフレが加速したときに冷静な判断ができなくなり、投資資金をつぎ込み過ぎてしまうこと。

「バブル時代には、資産のほとんどを費やして株などを買い、バブル崩壊と同時に散々な目に遭った人も多かった。冷静さを失わせるのがバブルの怖さです」。金額をつぎ込みすぎないことはもちろん、株式や不動産のような商品ばかりではなく、資金の一部は利回り重視の商品に振り向けるなど、無理のない投資商品選びを心がけたい。

 バブルの怖さを頭に置きつつ、戦略的にインフレ時代の資産運用に頭をシフトしていこう。