ヘブン、最後の1冊への意気込み
庭でスキップしている孫たちを見て、「桃源郷のようだ」と司之介がしみじみ。
桃源郷だねえとトキも同意しながら、スキップに参加。
司之介もバックスキップをしてみせる。
そこへ帰宅するヘブン。帰宅するなりスキップ。さすがの切れ味。
「でももうおつかれ」とぐったり。
その口元に白いものを発見する司之介。白髪かと思ったらひげに雪が、と指摘するが雪なんて降っていない。
この回、ヘブンの老いが強調されている。どこか元気のないヘブン。イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)への手紙の文面から、彼の内面がわかる。
「前にも伝えたが、体の調子が良いとは言えない。私の父も、今の私ぐらいの年で亡くなった。イライザ、それ、次こそベストセラーを書くよ。最後の1冊になっても、後悔しないものを」
体の調子がよくないようだ。それをトキは知っているのだろうか。トキと子どもたちが居間で遊んでいると、法螺貝(ほらがい)の音が聞こえ、「カモンカモン」とヘブンの呼ぶ声がする。
家族はいくつもの部屋を通って(やっぱり広い家に住んでる)西向きの部屋へ。
夕日がきれいに見える。
「見事だのう」「宍道湖みたいだわ」と司之介とフミ(池脇千鶴)。
夕焼け小焼 を歌っている子どもたちの声と、ヘブンとトキの「桃源郷」「ホケキョ」というやりとりが重なる。
主題歌の「西向きの部屋」は冴えない人生を送った部屋を想起させるが、東京の西向きの部屋は黄金の煌めき。いや、でも、ヘブンがもう長くないと考えているのを知ったあとだと、人生の黄昏(たそがれ)のように見える。
桃源郷と黄昏。小日向文世が大河ドラマ『真田丸』で演じた秀吉の晩年がまさにそうだった。思えば、タエ役の北川景子も『どうする家康』で茶々をやっている。滅びた豊臣の人間を演じたふたりが武家の生き残りを演じていたことはなんだか不思議な因縁を感じてならない。
今日も歩くと出勤途中、人力車から降りるヘブン。
どこへゆくのかー♪
ふと振り返って道を変え、行った先は――
ミルクホール
「たまの息抜きよ、きっと」
「ファジーねえ」と蛇と蛙。ファジーって言葉、久しぶりに聞いた。









