有望な若手を支援する
制度も充実
理工系の学生を取り巻く環境について言えば、意欲のある学生にとってはチャンスが広がっているといえます。そもそも政府自体が、理工系の学部生に大学院進学や博士号の取得を奨励しています。それは研究者を増やすだけが目的ではなく、修士号・博士号の取得者を社会のさまざまな分野に増やし、日本全体の知的レベルを向上させることを目指しているからです。
栗本 猛 教授
日本物理学会
キャリア支援センター長
富山大学大学院 理工学研究部(物理学)教授
くりもと・たけし 1959年生まれ。大阪大学大学院理学研究科物理学専攻修了。同大学院助手を経て、95年富山大学理学部物理学科助教授に就任。2005年より教授。専門は理論物理学。著書『理工系数学の土台』(プレアデス出版)。2008年より日本物理学会キャリア支援センター長に就任、現在に至る。
日本物理学会
キャリア支援センター長
富山大学大学院 理工学研究部(物理学)教授
くりもと・たけし 1959年生まれ。大阪大学大学院理学研究科物理学専攻修了。同大学院助手を経て、95年富山大学理学部物理学科助教授に就任。2005年より教授。専門は理論物理学。著書『理工系数学の土台』(プレアデス出版)。2008年より日本物理学会キャリア支援センター長に就任、現在に至る。
実際に東京大学や京都大学をはじめとするトップクラスの大学院の定員枠が広げられ、先端的な研究に取り組んで成果を上げている研究には予算が惜しみなく投下されます。
また日本学術振興会は、有望な若手の研究者を支援するために「特別研究員」という制度を設け資格要件をクリアした博士課程在学者に、研究奨励金(月額20万円)や毎年度150万円以内の研究費(科学研究費補助金)等を支給しています。それなりの能力や成果が求められますが、意欲のある学生にとっては大きな助けになっています。
ただし、理工系の志願者にとって、大学での勉強や研究の内容を把握しにくいこともあります。最近は大学側も積極的に情報発信をするようになっており、オープンキャンパスや体験授業などに足を運び、大学の空気に触れることも大事です。これからの世の中、生き残っていくためには自分の頭で考える力を鍛える必要があります。その意味でも思考力を鍛えるチャンスが多くある、理工系の大学が適していると思います。(談)