もし、こうした結論が見えるメンバーにして意見を聞いて増税やむなしという決定をするとすれば、まさしく官僚主導そのものになる。政治主導という安倍政権の手法として、あまりに事務方のお膳立ては度が過ぎた。7割超の増税賛成・積極派の意見に従って、安倍首相がすぐに「増税やむなし」と言ったら、民主党の野田首相のように、官僚のいいなりといわれてしまう。事務方の過度のお膳立ては、最終決断を下す政治家にとっては面白くないはずだ。
増税してバラマキは本末転倒
それにしても、各界の意見陳述者の中には、業界エゴ丸出しの人が多かった。多く見られた意見は、消費税増税は賛成だが、景気が心配なので財政支出や軽減税率を求めるというパターンだ。そんなに景気の腰折れが心配ならば、消費税増税を景気が盤石になるまで延期すればいい。増税して、それをバラマキに使うのは、本末転倒な話だ。
税を経済政策として使う鉄則は、景気の悪い時には減税、景気が過熱しているときには冷や水をかけるように増税、それ以外であれば、何もしないというものだ。
8月12日に発表された2013年4~6月期GDPの一次速報は実質GDP成長率(年率換算)で2.6%とまずまずだった。9月9日に公表予定の二次速報も悪い数字でないはずだ。8月30日、7月分の失業率、消費者物価指数、鉱工業生産指数が公表された。7月の完全失業率(季節調整済み)は3.8%、消費者物価指数上昇率(対前年同月比)は総合0.7%、生鮮食品を除く総合0.7%、食料及びエネルギーを除く総合▲0.1%、鉱工業生産指数(季節調整済み前月比)3.2%と、雇用、生産は順調、デフレ脱却は今一歩となっている。
これらをみれば、景気はよくなりつつあるが、過熱という状況ではない。したがって、増税をスキップというのが正しい。



