超低利の長期化で国債金利もマイナスが続いているが、政府にとっては低コストで資金調達ができる追い風の環境だ。国債発行でインフラ投資などを積極的にする好機だ。
このことは、今はやりの「現代貨幣理論(MMT)」などを持ち出すまでもなく、従来の理論からも当たり前のことだ。
国債金利ゼロまで
無制限に増発できる
筆者はかつて財務官僚時代、国債発行を担当していた時がある。そのとき、幹部に「最適な国債発行方法」を考えてくれと言われた。
もともと大学は数学が専門だったので、こうした問題を考えるのが三度の飯より好きだった。その時に頭に浮かんだのが、1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコビッツが確立した「ポートフォリオ選択理論」だ。