外資の誘致も視野に入れ
競争力のさらなる強化を
国内企業立地の推進には、外資系企業にも目を向けるべきだろう。日本には高度な技術力を持つ企業の集積や、消費者の安全性に対する厳しい目などの環境があり、日本市場での成功を元に、アジア市場で展開していくための足場として魅力になっている。
政府も外資系企業に対する補助金の交付や、研究開発など高付加価値拠点に法人税や所得税などを優遇する「アジア拠点化推進法」(12年11月施行)などの法制度を整備し、呼び込みと集積を後押ししている。
海外からわが国への対内直接投資は、新しい技術や製品・サービス、市場の創出が期待でき、地域経済の活性化にもつながる。特に研究開発分野では、市場近接性よりも、革新的な産業があるか、高度な人材を確保できるかなどが重視されるため、地域では技術力や人材の高度化など、外資に魅力となる環境づくりが求められる。
経済産業省では、「産業クラスター計画」に基づき、01年度から地域の経済産業局と民間の推進組織が一体となってプロジェクトを推進し、独自性に富んだ産業クラスター(集積)形成の支援を行ってきた。
こうした新産業集積地の特徴を生かして、さらなるイノベーションを起こすために、各クラスターが広域連携し技術力の強化と集積拡大を図っていくことが必要だ。より競争力のある地域産業圏をつくることが、日本企業はもとより外資系企業の立地意欲をさらに高めていく。国内には、企業を引き付けるポテンシャルがまだ十分にある。