ひと口に営業と言っても、営業先の規模は大企業から中堅・中小企業とさまざまで、また業種・業態によってマーケティング手法も異なる。
さらに、営業の売上構成は、いわゆる“ロングテール”。小さな金額の商談を数多く積み上げていくスタイルだ。昨今、顧客は、どのようなソリューションをどのように活用するかを提案してくれる「コンサルティング型セールス」を求めており、これを受注するまでには日数も工数もかかる。
こうした営業プロセスを根気強く、かつ丁寧にマネジメントすることが、敏腕営業マネージャーの要件の1つである。
ここではセールスフォース・ドットコムの事例から、そのポイントの一部を紹介しよう。
重要なのは、営業チームの売上を構成する要素を把握することである
売上は、右図にあるように4つの要素から構成される。
大前提となるのは「商談パイプライン金額」だ。これをどれだけ増やすかで、全体のパイの大きさが変わってくる。新規顧客からの問い合わせだけでなく、既存顧客からのパイプラインも重要になる。
次に「商談の勝率」。商談パイプラインから受注できる確率をどれだけ高められるかは、売上を左右する大きな要素だ。そこでは営業のスキル、メリハリ、支援体制などが問われる。さらに、「商談の単価」。商談1件あたりの金額によって、売上の総計が変わってくる。
そして、既存顧客の成長による追加ライセンスの獲得や契約の更新など、アフターフォローによるオプションの売上も大きな要素の1つになる。つまり、顧客のビジネスの成功が、自社の営業の成長の鍵となる。
マネージャーは、これらをどうマネジメントするかの能力が問われるわけだが、いかに優秀な人間でも、1人が1日にこなす仕事量には限界がある。しかも、1日は24時間、1年365日。時間は無尽蔵にあるわけではない。
そこで、受注率40%という高業績を実現したセールスフォース・ドットコムの手法を模倣することから始めてみることをおすすめする。