固定資産税は不要
争族対策にも向いている
一方で、アベノミクスによる「異次元の金融緩和」は、デフレからインフレへの大転換を促すことになるが、豊島氏は「緩和が効きすぎて急激なインフレが進行しても、インフレに強い金を資産の一部として保有しておけば、資産価値の目減りを抑えることができます」と語る。
また、仮にアベノミクスが失敗して、デフレ脱却が困難になったとしても、株や債券は値崩れするかもしれないが、金の価値が大きく下がる可能性は低い。
「もちろん、金は利息を生まない資産なので、あくまでポートフォリオの一部として保有し、株や債券などと一緒に運用するのが望ましいでしょう」(同)
再来年の相続税制改正を控え、年金代わりとしてだけでなく、相続対策として金の購入を考える人も増えているようだ。
「金は不動産と違って、いつでも適正な価格で売却できるし、固定資産税も掛かりません。しかもコインや地金なら、土地や建物と違って分割がしやすいので争族対策にもなります」(同)
ただし金は価格変動リスクが高い商品なので、まとめて買うことはなるべく避けたい。時間を掛けながら地金やコインをコツコツ買ったり、月々3000円程度からの純金積立を始めれば、購入価格を平準化しながら着実に保有量を増やせるはずだ。
数年後、数十年後の“大きな実り”を思い描いて、いまから始めてみてはどうだろうか。