現在注力している製品・サービスの一つに、「連結経営管理ソリューション」があります。アメーバ経営のノウハウと、販売・調達・生産管理情報を一元管理するERP(統合基幹業務パッケージ)を融合し、グローバル展開する企業の連結経営管理基盤の構築を支援します。この他、DRM(デジタル著作権管理)を付加した電子書籍配信プラットフォームは、大学の電子教科書の配信に利用されています。また、最新の解析技術を応用し、広告主の目的に応じたネット広告配信を支援するサービスにも力を入れています。

国内と海外拠点の
情報基盤をサポート

──海外事業の戦略についてもお聞かせください。

 01年にグループ初の海外子会社を中国・上海で設立して以来、シンガポール、ベトナムなど11拠点を開設し、日本向けのオフショア開発や現地の通信インフラ構築などを支援しています。また、海外に進出する日系企業に対し、日本国内とグローバル拠点の情報基盤をトータルにサポートする体制を強化しているところです。

 そして、新興国だけでなく、米国にも拠点を展開し、日本発の製品・サービスを米国市場から世界へ広げる計画もあります。今後ともICTやエンジニアリングの技術・ノウハウをベースに事業領域を超えてシナジーの創出を図っていく戦略です。グローバル視点で、変化する市場に対応していくことが、これからの日本を牽引する企業の力になると確信しています。

 

インタビューこぼれ話

 183センチメートルの長身から繰り出される言葉は論理的で明朗、KCCS発足時から会社と共に成長した揺るぎない自信を感じます。

 四つの事業分野をクロスさせた複合ソリューションの提供を強化したいとのことですが、情報システムと経営システムの両輪を購入する側の企業は、①プロダクト・イノベーション、②プロセス・イノベーション、③マーケティング・イノベーション、④オーガニゼイショナル・イノベーション、つまり「新商品・新技術」「生産方法」「販売方法」「組織」の革新を目に見える形でマネジメントできることになります。KCCSはイノベーションの基盤整備を担うわけです。「ただし」と佐々木さんは続けました。「革新を持続させる経営の精神が必要です」と。