満足度を決めるのは
思いとデザインの一致

「経営者の思いの部分と具体的なデザイン、インテリアがマッチすると、プロジェクトへの満足度は高まります」(大貫氏)

 実際、シグマクシスでは、新オフィスとなってからは、事業面も人材採用面も好調に推移しているという。

 オフィスの移転だけでなく、企業統合によるオフィス再編でも、ファシリティの専門家へのニーズは高い。6社を統合した三菱食品のケースがその1つ。東日本大震災後の混乱の中での企業統合であったが、3ヵ月という短期間で対応した。

 同社では、オフィスプラン作成にあたって、過去20年近い同社事例(5000件超)を蓄積したデーターベースを積極的に活用し、新オフィスに必要な床面積算出や、オフィス規模、レベルに合わせたスケジュール、予算を、早い段階でかつ高い精度で顧客に提供できることも強みとしている。

 特にコストについては、費用対効果の視点を持たなければ、プロジェクト化の段階で頓挫してしまう可能性も高い。同社には、CM方式(コンストラクションマネジメント)のビジネスモデルを、いち早く導入した実績がある。

 情報をすべてオープンにし、公正な競争原理を働かせることで、クライアント側の発注コストを大きく削減してきた。顧客の視点に立ってプロジェクトを進め、徹底したフェアネス(公正さ)、透明性が根底にあってはじめて、オフィス革新を成功へと導けるのだ。