充実した辞書機能で
分析の精度を高める

 MOONは初期費用3万円、月額利用料2万円という低価格を実現。自社名や商品名、競合製品など任意のキーワードをあらかじめ設定(上限10ワード)することで、ツイッターのつぶやきを簡単にチェックすることができる。システムが蓄積したデータを、インターネットを介してユーザーが利用するAPS型のサービスだ。

 MOONはマーケティング担当者だけでなく、経営者でも簡単に使える操作性や手軽さが評価され、着実にユーザーを増やしている。例えば、同業社との激しい競争にさらされている証券業界で、顧客の発する不満(サイレントクレーム)を収集するためにMOONを活用する企業がある。

「お客様窓口に連絡してくる顧客は説得ができるが、実は離れていく顧客の多くは黙って他社へと移ってしまう。企業としては何が改善すべき点であるのか、そこに気付くことができないところに強い危機感を持たれているようです」(田山社長)

 プロモーション告知を複数メディアで行っているある企業は、MOONによる分析を生かして、メディアへの広告出稿の最適化を進めているという。より効果のある媒体に厚めに予算を配分することにより、マーケティングの投資対効果を高めることができる。あるいは、機密情報の漏えいがないかを監視するために、MOONを導入している企業もあるようだ。

 MOONの特長としては、便利な辞書機能もある。例えば、「インド」のツイートを調べたいときに、「ウインドサーフィン」や「インドアテニス」などの言葉は取り除きたい。こうしたフィルタリング機能を標準で備えているほか、ユーザー自らが業界特有の隠語などを登録することができる。

 また、外部の解析ツールなどとの連携も容易だ。「より詳細な分析が欲しいという場合には、MOONの備えたインターフェースにより、簡単にデータ連携を行うことができます」と桑野部長。もちろん、データをExcelに取り込んで集計・分析することもできる。

 ツイッター上では今も、自社の評判や商品の感想などが語られている。四六時中それをチェックすることはできないが、MOONがあれば知りたいときに知りたい情報を集めることができる。ソーシャルメディアをビジネスに生かすための頼れるサービスとして、MOONへの注目度はますます高まっている。

「MOON」導入で考えられる役職別のリサーチメリット