ビスタホテルマネジメントは、香港を拠点とするUni-Asia Hotelsの傘下で、ワンランク上の宿泊特化型ホテルを中心に国内10ヵ所で事業展開。口コミ評価とリピーター比率の高さが際立っている。

企画開発部第一部長
山田一哉氏

 ホテルビスタの魅力の一つは、バスルームとトイレ、洗面スペースがそれぞれ別に設置されていることだ。一般的なビジネスホテルでは、バスタブとトイレが一体化したユニットバスが主流だが、同ホテルグループでは2006年開業のホテルビスタ札幌を皮切りに、清水、熊本空港、海老名の全客室で、この“3点独立型”を実現している。

 その上、洗い場があるので「洗い場で体を洗い、バスタブでゆっくりと湯に漬かれ、家庭のお風呂と同じようにリラックスできます。レジャーで宿泊のお客さまには、お子さまと一緒にお風呂に入れると好評です。また1室2名でご利用の場合、1人がトイレを使用していてもバスルームを使うことができます」とメリットを語るのは山田一哉・企画開発部第一部長だ。

独立した個室トイレ

 限られた空間を可能な限り有効に活用し、日本人の生活習慣や好みに合わせた機能的なデザインを採用する。そして、立地の良さはもちろん、シモンズ製に代表される高級ポケットコイルのベッドを導入、しかもシングルルームであってもセミダブルサイズ以上で、眠りの質にもこだわりを見せる。アメニティなどの備品にも気を配り、宿泊特化型ホテルの名にふさわしく、睡眠を中心とする滞在時の快適性を追求しているのだ。

各地域に合わせた趣と
口コミ評価の高さ

 同ホテルグループは、「あえてデザインや客室構成を画一的にせず、エリアのニーズに合わせた“地域密着型”のホテルづくりを心掛けている」(山田部長)ため、さまざまな企業が集積し、ビジネス客の多い厚木、海老名、堂島、熊本はシックに、コンサートや観光客の多い札幌、サッカー観戦をはじめとしたレジャー客も多い清水はモダンなど、テイストが異なるのも特徴だ。

日本人の生活習慣に合った、洗い場を備えたバスルーム

 さらに14年2月にリブランドオープンした河原町通のホテルビスタプレミオ 京都は雪見障子や和風照明など和テイストをふんだんに盛り込み、シティホテルに負けない京都らしい上質な空間を実現している。

「ネットでの口コミ評価が高く、お客さまのリピーター比率が40~50%と高いのは、料金とホテルの価値がマッチしている証だと考えています。お客さまから頂いた要望をサービスに迅速に反映させるなど、きめの細かい対応も、お客さまに支持されるポイントだと思います」(山田部長)

 17年には、横浜市のみなとみらい21地区での新規開業(約230室)も予定。ビジネスホテルでもシティホテルでもない、新しい形のホテルを演出するホテルビスタ。宿泊客の“満足”をシンプルに追求した、次世代ホテルの潮流がここにある。

たっぷりサイズのベッドと 独立した洗面台。札幌の一室。