担任と就職部が連携し
企業とマッチング
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同校の実務教育の山場がインターンシップだ。4年制の建築工学科は3年次の夏休みに実働20日間、2年制の建築デザイン科は1年次の春休みに実働10日間を目安に実施され、実質的な「内々定」に至るケースも多い。
同校就職部部長でもあり、経団連キャリア・アドバイザーの資格を有する加藤教授は、次のように強調する。
「本校では担任制を導入しており、インターンの前には、まず学生と担任が希望の職種、企業について十分に話し合います。各担任は、われわれ就職部と密に情報を共有し、学生の資質や性格、希望に応じた会社やその会社で働くOBを選んでマッチングしていくのです」
インターン先は一つのこともあれば、設計事務所と工事現場など、複数の業態、場所を体験することも可能だ。
「学生もインターンの重要性を認識しており、結果として毎年およそ半数の学生がインターン先の企業に就職していきます。それ以外の学生も、インターンを経験することで意識が高まり、希望の業態や企業像が定まっていく。これにより大学院進学者や家業を継ぐといった者を除いた就職希望者(学校推薦)で、過去5年間100%の就職率を達成しています」(加藤教授)
就職先としては、ゼネコン、ハウスメーカー、セメント・コンクリート会社、設計(意匠および構造)事務所が中心となっている。
専門知識、技術を
網羅的に習得させる
同校では、資格取得にも注力している。在校中に、2級建築施工管理技術検定や商業施設士補や建築積算士補、インテリアコーディネーターや現場作業に必要な各種技能資格などが取得できる。さらに、卒業後には一級建築士(4年制で実務2年、2年制で実務4年が必要)や二級建築士(実務不必要)などの受験が可能になる。
現在、4年制の大学の卒業最低単位は124単位。しかも、選択科目が多いため、選び方によっては、専門知識、技術の習得が偏ることもあり得る。
一方、浅野工学では4年制で185単位(すべて必修)の実践的な授業を行っている。そのことが、100%の就職率や卒業後も含めた資格取得につながっている。身に付けた知識や技術の網羅性が、社会に出てから実務力の差となって現れるという。
勉学と実社会を直結させた「本物の学び」を通して、職業人の心構えを身に付けた人材を輩出してきた浅野工学は、85年の歴史の先に、新たな伝統を生み出し続けている。