これは、日本人が「自分が何者か」を考える際に、内面や価値観ではなく、現在の人間関係やその拠り所となる所属場所が第一に来る傾向があることを示している。これでは異なる業種、異なる考え方の人とコミュニケーションする土台ができないのも、うなずける話だ。

 いま、「俺は妖怪ウォッチのレアメダルを持っている」ということで、他人との違いを認識し、自己を定義している小学生は、成長しても「俺は一部上場企業の管理職だ」ということでしか自己定義できない。そしてグローバル化が進んでいる現在、そんな自己定義の意味がどんどん薄れていることは、読者の方々はすでにご存じだろう。

ブラック組織の大人にならない
ための「グローバル練習問題」

 したがって、グローバル人材を育てるための第一歩は、自分の視点、価値観といったレベルで自己を定義し、他者とコミュニケートすることで、それらの違いとバリエーションを認識することである。英語がいくらできたとしても、そういった土台ができていなければ、グローバル人材になるのは難しい。

 今からでも遅くはない。自分の特徴を見つけ出し、視点や価値観を客観的に語れるようになり、そうした姿勢で他人と接することで、より広範囲かつ効率的なグローバルコミュニケーションが可能となるはずである。

 筆者が現在開発しているのは、そんな大人のための「グローバル練習問題」だ。それは、人の多面性を自他ともに認識させ、人間関係を変えていくことで、より組織を活性化させ、人材の開発も行うというものである。それは裏を返せば、「ブラック組織の大人にならないための練習問題」とも言える。

 こういった取り組みを通して、「たこつぼ組織」の中で道を模索する企業がグローバル社会で生き抜くための貢献を、少しでもできればと思っている。

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