他人にお構いなしの人が増える一方
他人を少しでも助けようとする人も

 東京のJR恵比寿駅で、ある日私の前を両親に連れられて子どもが歩いていた。彼は食べているチョコレートの包み紙を、何のためらいもなく通路に破り捨てながら歩いている。最後は、飲み終わったペットボトルも、後ろ手でポイっと捨て去った。

 一緒に歩いている両親は気づいている。しかし、気づいているはずの両親も何も言わない。

 ほどなく、東京ディズニーシーでも同じような光景を見かけた。前から楽しそうに歩いてきた女性2人組が、食べ終えたアイスクリーム容器を、悪気も見せずに歩きながらその場でポイっと捨て去った。

 地球とゴミ捨て場の区別がついていないようである。

 他にも、街を歩いていると気になることがある。

 たとえばそれは、すれ違うときにお互い道を譲らない人が増えてきたということである。こちらが向かっていることに気づいているはずなのに、進路を少しずらすとか、体を少し道端に寄せるなどということをしない。

 横並びで歩いていたら、通路を防いでしまうので、向こうから人が歩いてきたらさっとスペースをあけるものかと思いきや、そのまま集団で直進してくる。

 傘をさしている時は、正直困る。江戸しぐさの傘かしげで、こちらが体や傘を傾けてぶつからないようにしても、同じようにしようとはせず、そのまま突進してくる。

 こうした人たちが街の中に増えているように感じる一方、たとえば生ごみ処理機を自費で購入するなどして、少しでも地球環境に優しい活動をしようとする人も増えている。

 あるいは、このたびの東日本大震災のような災害が起きたときに、NPOを設立したり、ボランティアで自分の時間やおカネを割いてまで困っている人を助けよう、支援しようとする人も増えている。