差別化を見極め、
ニーズに合わせて選ぶ

 こうした3Bの充実ぶりが、最近のビジネスホテルの傾向だが、細かく見ていくとそれぞれに力の入れ具合に差があり、ホテル選びにあたっては、自分のニーズにあったサービスを提供してくれるホテルを選ぶのが基本になる。いわば、差別化を見極めること。同じホテルチェーンの中でも、快適さをよりアップしたワンランク上の“プチゴージャス”なブランドを展開しているホテルもあり、予算に合わせて選択することも可能だ。

「出張が多いビジネスパーソンの方は、お気に入りのチェーンホテルを探して会員になるのもいいでしょう。全国で均一のサービスを受けられる安心感があり、リピーターになることで特典が付きます。

 同じ土地に多く行かれる方は、ローカルなホテルを含めていろいろなホテルを試すことをお薦めします。最近は、交通の便が発達して日帰りが多くなり、出張客が減少していることもあって競争が激しく、ホテル側の努力もさまざま。思わぬ“掘り出し物”が見つかるケースがあります。

 宿泊サイトの口コミ情報を参考にする方も多いですが、その場合は主観的な意見ではなく、“備品が壊れていた”など、事実情報の部分に注目してください。不明な点があれば、率直にホテルに問い合わせてみるべきです」と村田氏はアドバイスする。ちなみに、地方に行く場合は、旅館の“素泊まり”を利用するという裏技もある。温泉などの共用部分を存分に利用できて、料金は意外に割安だという。

週末にはファミリー層
の取り込みも進む

 ビジネスパーソンの宿泊の快適性に特化して、進化を続けるビジネスホテル。最近は、質とコストパフォーマンスに注目が集まり、ビジネスホテルを週末に利用する観光目的のファミリー層も増えている。フレキシブルに対応できる客室設計、風呂やベッド、朝食の充実も、それらのニーズを見越して設備を整えている面もあり、リニューアルのサイクルも早くなっている。ある意味で、ビジネスホテルのシティホテル化が進展し、その境界線は限りなく曖昧になりつつある。

 出張も一種の“旅”と考えれば、疲れを癒やし快適性を求めるのは当然のこと。機能やサービスが充実するビジネスホテルの選択を、いま一度検討してはどうだろう。