今、マンション管理会社が管理品質の向上に積極的だという。自らの生き残りをかけた策だというが、居住者からすれば管理の質次第で住み心地が大きく変わるもの。これからの中古マンション選びの視点として、管理会社のサービス品質に注目が集まっている。
サービスの品質向上が
管理会社の生きる道

分譲マンションは、「管理」によって住み心地が変わる……と聞いて、「確かにそうだ」と思える人がどれくらいいるだろうか。
「管理って、管理人さんのこと?」
「廊下の電球交換とエントランスの掃除をすること?」
賃貸マンションと同程度の業務を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。
ところが、日本の分譲マンションは管理の質を高め、賃貸住宅とは比べものにならないサービスやセキュリティ体制を提供している。
理由は、「マンション管理」をこれからの不動産会社経営の大きな柱ととらえているからだ。
日本は少子高齢化の急速な進展により、2008年をピークに人口が減り続けている。一方で、住宅の質が高まり、長持ちする住宅が増加。昭和時代のように新築住宅を大量につくる時代は終わりを迎えた。
「もうこれまでのように、新築マンションをつくり続けることはできない」と言われ始めたのは昭和の終わりくらいから。約30年前から「新築の限界」を想定していたわけだ。
平成に入り、バブルがはじけてからは、ますます「マンションの新築分譲に頼ってはいられない」との意識が強まり、新たな方向性が模索された。
新しい方向として浮かび上がったものの一つが「管理」である。既存マンションの居住者を相手に安定的にお金を稼ぐ手段として、「管理」に目が向けられたのだ。
管理会社はすでに「毎月の管理費」をいただいている。その管理費用を払い続けてもらえるよう、サービスの質を高める。そして、新たなサービスで追加のお金ももらえるようにしよう、と工夫を凝らすようになったのだ。