店舗向けにO2Oソリューションを提供するエス・ケイ通信。主力のモバイルマーケティング用ソフトは1万店以上のユーザー数を誇り、創業15年で売上高55億円を見込むなど急成長を遂げている。躍進の理由と今後の目標について廣瀨勝司・代表取締役に聞いた。

ひろせ かつし▪エスケイ通信代表取締役。1975年生まれ。大手通信会社勤務を経て2000年エスケイ通信設立。「会社に関わる全ての方々に幸せになってもらいたい」という思いの下、14期連続増収増益を実現。従業員数、会社規模ともに急成長を遂げている。
──まずは、事業内容についてお聞かせください。
廣瀨 飲食店や理美容室、エステサロンといったサービス業のO2O(オンライン・ツー・オフライン=ホームページやメールなどから実店舗に誘導する販促活動)を支援する各種ソリューションを提案しています。
具体的には、モバイルマーケティング用顧客管理ソフトの「IPモバイル」、ホームページ制作やSEO(検索エンジン最適化)対策などの機能を搭載した「IPプロデュースパック」などのツールを提供しています。
ソフトウエアの企画・開発は全て自社で行っており、営業についても、一部代理店に委託している他、基本的には自社の営業担当者が新規のお客さまを積極的に開拓しています。
2000年の会社設立当初は通信回線の取り次ぎが主力事業でしたが、05年に「IPモバイル」をリリースしたのを機に、O2Oソリューションに大きくかじを切りました。
売って終わりではなく
使ってもらうことを重視

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──13年度までの5年間で売上高が9億円から43億円まで4倍以上に伸びています。急成長の理由は何でしょうか?
廣瀨 社員全員が顧客重視を徹底し、商材やサービスの改善に継続的に力を入れてきたことが評価され、業績にも結び付いたのではないかと思います。
O2Oソリューションは導入したら終わりではなく、そこからスタート。実際に活用して販促効果を挙げていただかなくては意味がありません。
当社はこれを支援するため、営業はもちろん、企画、開発、サポートの全スタッフが一丸となって、ワンストップのサービスを提供しています。
効果が上がるツールの活用方法をアドバイスするだけでなく、必要であれば販促広告の制作までお手伝いするなど、お客さまのためになることは徹底支援するのが私たちの方針です。
例えば同業他社では、お客さまから問い合わせを受けてからサポート対応するのが一般的だと思いますが、エス・ケイ通信では、こちらから「何かお困りごとはありませんか?」と連絡する“攻めのサポート”を実践しています。
また、サポートの過程で頂いた要望は、企画や開発のスタッフにフィードバックして、ツールのさらなる改善に役立てています。