営業の行動数は
商品開発力に反映される

──一方で営業活動にも非常に力を入れておられるようですね。

廣瀨 当社の営業担当者は、1日2件以上の新規のお客さま、それも経営者の方を訪問することを日課としています。

 これは業界内でも群を抜く訪問件数で、取引先から「エス・ケイ通信さんの営業力は圧倒的ですね」と驚かれるほどです。

 訪問回数が多ければ多いほど、成約を勝ち取れる機会が増えるのは言うまでもありませんし、担当者の営業力も鍛えられます。

 また、1ヵ月に40人もの経営者の方々とお会いすれば、人間力を養うこともできます。

 これによって営業担当者が早く成長すれば、本人のためになるだけでなく、会社が事業を拡大し、新ビジネスに挑戦するチャンスも広がります。当社の業績が急拡大しているのは、営業に力を入れていることも大きな理由だといえるでしょう。

──積極的な営業活動は、貴社の商品開発力を磨く力にもなっていると伺いました。

廣瀨 私は、営業の日々の行動は、商品開発力に反映されるという信念を持っています。

 たとえご契約が頂けなかったとしても、「なぜ、駄目なのか?」という情報を集めることができれば、より良いツールの開発に生かせるからです。

 当社の営業担当者は約100人なので、1人が1ヵ月に40件を訪問すれば、トータルで約4000件のご意見をお客さまから集めることができます。

 この膨大なフィードバックがあるからこそ、商品やサービスに磨きが掛かり、顧客満足度が高まるのだと思います。

 おかげで、当社の商品やサービスに対するお客さまからのクレームはほとんどありませんし、新商品を提案すると、既存のお客さまの70~80%からご注文を頂けます。

──社員全員の価値観を一つにするために、社内教育にも力を入れていると聞きました。

廣瀨 全ての社員が一つの大家族のようになって、「お客さまのビジネスを応援したい」、それによって「自分自身や家族(会社)を成長させたい」という価値観を共有してもらえるようになることが、理想です。

 おかげさまで当社は急成長を続けていますが、これは社内教育を通じて、成長を信じて挑み続ければ、必ず成し遂げられるのだという信念を共有できたからこそだと思います。

──最後に、今後の目標についてお聞かせください。

廣瀨 創業15周年目の今年は、売上高55億円を達成させる計画です。また、次なる成長へのステップとして、数年以内の株式上場を予定しています。

 人も企業も、成長するにつれて新しいことに挑戦できる可能性がどんどん広がっていくものです。その喜びを、ぜひ社員全員で分かち合いたいですね。