欧州銘柄の空白を
埋める新規銘柄

UBS証券
運用ソリューション本部長兼
ETF商品部長
エグゼクティブ・ディレクター
スイスに本拠を置くグローバル金融機関の一つに、UBSグループがある。資産保全・運用などのさまざまな金融サービスを行うウエルス・マネジメント、投資銀行業務、証券業務を行うインベストメント・バンクの他、世界最大級の資産運用機関であるグローバル・アセット・マネジメントが主要な事業だ。このうちETFビジネスを手掛けるUBSグローバル・アセット・マネジメントは、24ヵ国で資産運用サービスを展開しており、その運用資産は6790億ドル(約74兆円)に上る。指数連動型ポートフォリオ・マネジメントの高い経験値と専門知識を有し、30年を超えるパッシブ運用(ベンチマークに連動する運用成果を目指す運用手法)の実績を持つ。01年に立ち上げたETFビジネスは順調に伸び、14年末時点において現物複製型ETF数で欧州第2位のプロバイダである。
今回上場するETFは「UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50)」「UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ)」など10銘柄。そのうち7本が欧州市場に投資するETFで占める。
UBS証券の本田淳一・運用ソリューション本部長は、欧州重視の理由を「日本市場に上場するに当たり、東証上場のETFの種類や投資対象とする市場を調べたところ、欧州市場を対象とするETFが非常に少ないことがわかりました。これでは個人投資家がETFを使って国際分散投資しようとしても、欧州という主要な市場がぽっかり空いてしまう。そこで欧州市場関連ETFの品揃えを充実させれば、分散投資のニーズに応えることができると考えたのです」と説明する。
ETFをNISAに
組み込んで資産形成
しかし欧州経済はまだ不安定期を脱していない。欧州市場関連ETFに投資する時期なのだろうか。
最終判断は個々の投資家が下すことになるが「確かに欧州経済は目先いろいろな問題を抱えています。ただ、1月のETFの資金流入を見ると欧州と日本市場が増えている。中長期的な視点で見れば、現在は投資に適したタイミングといえるのではないでしょうか」(本田氏)。
資産運用の基本は国際分散投資。欧州市場をカバーするETFが登場したことで、保有コストを抑えつつ、ポートフォリオを充実させることができるようになった。また16年から非課税枠が120万円に拡大されるNISA(少額投資非課税制度)、その未成年版で非課税枠を80万とするジュニアNISAの利用にもなじむ。
ETFの詳しい情報は東証HPにあるETF・ETNのページや各種セミナー、UBSなどのETF紹介サイトで得られる。ETFを使って「貯蓄から投資へ」を実践してみてはいかがだろう。
