中古になっても
値上がりする物件

オチーノ代表取締役社長 兼 CEO
井端純一
いばた・じゅんいち/同志社大学文学部新聞学(現メディア学)専攻卒。リクルートを経て、『週刊CHINTAI』『ZAGAT SURVEY』取締役編集長などを歴任。2003年、オウチーノを設立。著書に『広報・PR・パブリシティ』(電通)、『30年後に絶対後悔しない中古マンションの選び方』『10年後に絶対後悔しない中古一戸建ての選び方』(河出書房新社)など。

 マンションを買うとき、誰もが「資産価値が落ちない物件」を買いたいと願う。「落ちない物件」の最重要なファクターは、いうまでもなく「立地」である。

 そうした物件を探すための指標も、すでに存在する。不動産価格を調査・分析している東京カンテイが毎年発表している、マンションPBR(騰落率)だ。

 この指標では、2014年の第1位は「表参道」。新築時の平均価格が8357万円なのに、中古時の平均価格は1億1156万円(いずれも70平方メートル換算)と、1.33倍も値上がりしている。

 第2位は「みなとみらい」と「品川」で1.3倍と高水準だ。

 こんなおいしい話があるのなら、誰でもPBRの高い駅に買いたいと考えるはずだが、そうは問屋が卸さない。

 街ごとの値段には大きくばらつきがあるからだ。高過ぎて買えない駅も多い。

 それにPBRはあくまで、これまでの街の「実績」、つまり「過去の趨勢」なのだ。今後はどうなるのか。地域の将来性も、同時に読まねばならない。