エコリフォームは
窓・天井・床下を優先

 これらのエコリフォームを一度に実施できればいいが、予算の制約がある場合は「優先順位を付けて対処することが重要」(尾間氏)になる。

 戸建て住宅の場合、まず熱の出入りが一番大きい窓の断熱。次いで屋根裏と床下の断熱。夏に向かう今の時期なら、窓と屋根裏の断熱性能を高める。冬に向かう時期なら、窓と床下の断熱から手を付けるといいだろう。

 マンションでは、窓の断熱が中心となる。窓ガラスを複層ガラスに交換したり、内窓を設置するのもいい。窓ガラス・外窓の交換については、04年の「マンション標準管理規約」改正で、共用部分であっても各戸で断熱や防犯効果の高い製品への交換が認められるようになっている。ただ個別の管理規約が改正されているかどうかはマンションによって異なるので、不明の場合は管理組合に相談しよう。

早めの工事で省エネ
住宅ポイントを得る

 国土交通省は住宅の省エネ化を推進するため「省エネ住宅ポイント制度」を実施している。エコリフォームの場合、対象製品を使用して所定の基準を満たせば1戸当たり上限30万ポイントの範囲で工事などの内容に応じたポイントが発行される(新築は1戸当たり30万ポイント)。ポイント発行申請期限は予算の執行状況によるが、遅くとも15年11月30日までには締め切られる予定だ。

 今年も震災復興や東京五輪準備による建築業者の人手不足が続く。その上締め切り近くになると駆け込み需要の急増が予想され、工事着工・完了が遅れることもあり得るので、盛夏を迎える前に決断することをお勧めする。