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ネット証券のツールを使って探す方法を紹介!ネット証券を活用した株の初心者入門講座(4)

2015年9月15日公開(2019年10月29日更新)
久保田正伸

お得な企業を見極めるために知っておきたい経営指標

 銘柄のお得さ、割安度などの参考になるのが、さまざまな指標です。多くのネット証券では、銘柄のページにまとめて指標が表示されています【図表6】。ここでは銘柄を見る上で重要な「配当利回り」「PER」「PBR」「ROE」「自己資本比率」の5つを紹介します。

【図表6】マネックス証券の指標ページ
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◎配当利回り(%)=1株あたり配当金/株価×100
→株主還元の比率

 配当は、会社が株主に分配する剰余金です。株価の値上がり益を「キャピタルゲイン」と呼ぶのに対し、配当金は「インカムゲイン」とも呼ばれます。会社は財務状態や経営方針から、その年によって配当を増やしたり(増配)、減らしたり(減配)、出さなかったり(無配)します。

 配当利回りは、投資金額に対する年間の受取配当金の割合です。上記の計算式のとおり1株あたりの配当金を株価で割って求めますから、株価が高くなれば配当利回りは下がります。反対に株価が下落すれば、配当利回りが上がります。好配当銘柄が特に悪材料もなく株価が下落した時は、配当利回りが高くなり、おトク度がアップしたとも言えます。

 ちなみに株価1000円で配当利回りが3%、単元株数が100株の銘柄でもらえる配当額は、1000円×3%×100株=3000円 となります。

◎PER(株価収益率)=株価/1株あたり利益(EPS)
→会社の収益面から見た割安・割高倍率

 PERは株価の割安・割高度を利益の面から評価する指標です。1株当たりの当期純利益(EPS)に対して、株価が何倍まで買われているかを表しています。一般的に今期の利益予想を使って算出しますので、予想PERで比較を行います。

 ちなみに【図表6】のファナック(6954)ではEPS(1株当り予想純利益)が815.27円、株価が1万9290円なのでPERは、19,290÷815.27=23.66倍となります。

◎PBR(株価純資産倍率)=株価/1株あたり純資産(BPS)
→会社の純資産から見た割安・割高度

 PBRは株価の割安・割高度を純資産(=総資産-負債)の面から評価する指標です。1株当たりの純資産(BPS)に対して、株価が何倍まで買われているかを表しています。

 また、企業の財務面の安定性も表します。PBRが1倍以下なら、株価は帳簿上の解散価値以下になっています。株価が下落している時は、PBR1倍水準の株価付近で下げ止まることもあります。

 【図表6】のファナック(6954)のPBRは、BPS(1株当り純資産)が7,049.39円なので、19,290(株価)÷7,409.23=2.73倍となります。

◎ROE(自己資本利益率、%)=当期純利益/自己資本×100
→株主から見た企業の成績

 昨今、注目が集まっているのがこの指標です。自己資本は株主資本とも言われますが、株主資本を利用して、どれだけ純利益をあげたかを算出しますから、企業の収益性を示しています。株主から見れば投資した資金があげた成果がわかる指標と言えます。

 ROEは、2014年1月に登場した新しい株価指数「JPX日経インデックス400」採用企業の銘柄選定基準になっています。また、2015年6月に適用が開始された「コーポレートガバナンス・コード」において、「ROE目標の開示」が上場企業の原則として盛り込まれました。

 現在、日本企業の予想ROEは8%程度ですが、「ROEは10%以上であるべき」という提言がなされています。ROEを向上させるには2つの方法があります。上の計算式を見るとわかるのですが、ひとつは分母(当期純利益)の向上。もうひとつが分子(自己資本)を減らすことです。

 そこで、高いROE目標を発表した企業は、自己資本を減らすために、自社株買いや配当の増額を通じて株主還元策を行ってくる可能性が高いのです。

 最近では、日清製粉グループ(2002)、富士フイルムホールディングス(4901)、住友電気工業(5802)など、ROE目標を開示して、株主還元にも積極的な企業が増えています。

◎自己資本比率(%)=株主資本(自己資本)÷総資本
→自社の資産割合

 企業の安全度を知る上でチェックしておきたい数字です。企業の資産の中で、返す必要のない資産の割合で、50%以上であれば比較的安全性は高いと言えます。【図表6】のファナック(6954)の自己資本比率は85.60%となっています。

ネット証券を活用した割安度お手軽比較法

 PERやPBRの比較対象としては、日経225や東証1部銘柄の平均(現在PER14~15倍程度、PBR1.2~1.3倍程度)。または同業種の平均と比較してみます。または、同じ銘柄の過去と比較する手もあります。

 これら指標の倍率が高ければ割高、低ければ割安と考えられます。好業績銘柄でも倍率が高すぎる場合は、買われ過ぎの可能性があり注意が必要です。反対に好業績なのに倍率が低ければお買い得と言えます。

 これまで企業の成長性(業績推移)、割安度(PERやPBR)、収益性(ROE)、安全性(自己資本比率)などについて解説してきました。実はこれらの項目を一目で簡単にチェックする方法があります。それが投資情報会社が提供する企業のレーダーチャートです。

 前出の【図表6】ではマネックス証券の銘柄ページで表示されたレーダーチャートが見られます。「成長性」「リビジョン(企業評価の改善度合い)」「財務健全性」「テクニカル」「企業規模」「割安性」の面からスコアが算出され、レーダーチャートが表示されています。業界平均も出ていますので比較ができます。

 上記、マネックス証券で見られる「スコア」とは、たとえば、割安性の場合、PER、PBRだけでなく、75日移動平均、アナリストが出した目標株価も加味してスコア化されています。非常にわかりやすい指標だと思います。

 実際、図表6の銘柄の業績や指標とスコアを比べてみます。業績面では、今期純利益が-23.17%予想、減収減益になりそうです。成長性スコアも45で業種平均以下です。

 割安度も見てみましょう。PER30.28倍、PBR4.53倍ですから、市場平均に比べると割高感があります。スコアは41で、やはり割高な評価が出ています。

 自己資本比率は85.6%ですから財務健全性はかなり高いようです。スコアも95と高得点です。財務に余裕があるせいか配当利回りも1.98%あります。

 これから買いたい銘柄選びという観点では、財務が健全なところは評価できますが、割安度と成長性から見ると市場平均以下だとわかります。

 ネット証券の中でもおすすめのレーダーチャートは、岡三オンライン証券の無料ツール「岡三ネットトレーダーWEB」です。企業分析機能で、レーダーチャートに加えて同業他社比較が可能です【図表7】

【図表7】岡三オンライン証券の口座開設者向け無料ツール「岡三ネットトレーダーWEB」。同業他社比較ができる。縦軸・横軸は、総合、成長性、収益性、財務性、割安性、規模から選択できる
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*前回までの「ネット証券を活用した株の初心者入門講座」記事一覧

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