大和リースは四つの事業の複合化により交通環境、地球温暖化、防災問題という喫緊な問題の解決策をワンストップで提供。大和ハウスグループの総合力も活用できる。

樋口栄治 執行役員
リーシング ソリューション事業部長
ロボット事業推進室担当

 大和リースでは、カーリースや介護福祉ロボットリースなどを行うリーシング ソリューション事業、システム建築の規格建築事業、商業施設等の開発・運営を行う流通建築リース事業、緑化と環境・省エネ事業を行う環境緑化事業を展開しており、官公庁や民間企業などあらゆる顧客ニーズにワンストップで応えられる複合力が強みだ。自走式立体駐車場は、2012年に駐車場建設に実績のある大井建興より事業譲渡を受けて、リーシング ソリューション事業の中で駐車場ビジネスの強化を図ってきた。その結果、商業施設やマンション、病院、公共施設まで顧客の多様なニーズに応えられるようになった。

自社で企画から建設・
運営・店舗誘致まで

 最近の事例としては、14年にオープンした「福岡空港国内線立体駐車場」(福岡県)、1階にバスターミナルを併設した「JR下関駅南口立体駐車場」(山口県)、15年3月に竣工した「ロイヤルパークスERささしま立体駐車場」(愛知県)、同時期竣工の「松山赤十字病院立体駐車場」(愛媛県)などがある。

左/緑化を複合させた福岡空港国内線立体駐車場。 真ん中/1階にバスターミナルを併設したJR下関駅南口立体駐車場。 右/松山赤十字病院立体駐車場

 認定駐車場の場合、構造自体では他社との差別化を図りにくい。樋口栄治執行役員は「お客さまの要望を満たした上で、より良いデザインや安全性に配慮した場内レイアウト、利便性の高さといった付加価値を重視した提案を行っています」と話す。

 最近増えている駐車場の緑化についても、「環境緑化事業のノウハウにより、従来の画一的な駐車場のイメージを超えて、景観に調和し、お客さまの資産価値を高めるようなプランが提案できます」。同社の環境緑化事業の実績は、屋根や屋上、ビルの外壁、各種施設内の壁面など多岐にわたる。メンテナンスについても同社が引き受けてくれ、顧客側にも安心感があるだろう。

「Dパーキングというコインパーキング事業も手掛けており、建設から運営まで任せていただけます。さらに、立体駐車場に店舗を同時に誘致してほしいというような要望にも、流通建築リース事業のノウハウを生かして対応できますし、マンションの立体駐車場の一部にカーシェアリング用の車が欲しいというリクエストにも応えられます」

 Dパーキングと緑化を組み合わせた例としては、東京・JR秋葉原駅前に9月28日にオープンした「Dパーキング秋葉原駅前第1」がある。テーマは「新しい都市緑化」。ビルが立ち並ぶ駅前に四季を感じられる「秋葉原の小庭」が併設され、駐車場の路面には保水性の高いインターロッキング緑化を設置することで、都市のヒートアイランド現象の抑制にも貢献している。

東京・JR秋葉原駅前のDパーキング。壁面緑化や小庭園を造ることで、都市緑化にも貢献。