営業マンの訪問すべきエリアを決めて新規顧客リストを与え、訪問件数をノルマ化しているのに新規顧客が思うように開拓できず、売上があがらない…。このような悩みを抱える営業組織は非常に多いのではないだろうか?
こういった営業組織で散見されるのが、顧客の立場で考えるという視点がない、「顧客視点」の欠如だ。相手のニーズを把握できていない、タイミングも考えずに商品やサービスを“売り込む”ことしか考えていない、などの特徴があり「KY(空気が読めない)」な営業組織と言い換えても良いだろう。
これまで4000社以上の企業の営業課題解決を支援してきたソフトブレーンの長田順三氏は典型的なKY営業組織の特徴として、以下のような例を挙げる。
【KYな営業組織の例】
(1)訪問目的や顧客が明確でない
・顧客(リスト)の優先度やランク分けができておらず、適切な顧客に適切なタイミングで訪問できていない
・上司から営業件数のノルマを課せられるため、結果的に「質」ではなく「量」を重視してしまい、 訪問しやすい顧客を頻繁に訪問してしまう
(2)顧客のニーズやキーマンを把握できていない
・顧客のニーズを把握せず、会社案内や営業資料に書いてある内容を そのまま説明するだけの「パンフレット営業」を繰り返している
・ヒアリングした内容をもとに提案しているにもかかわらず、表紙の社名を書き換えただけのプレゼンをしてしまう
・提案フェーズに合わせて、現場の担当者だけでなく予算を握るキーマンへのアプローチが必要だがキーマンを把握できていない
(3)社内業務や会議が多く、実質的な営業時間が短い
・営業報告や会議資料の作成に時間を取られ、営業活動そのものがおざなりになっている
(4)営業先の重複や顧客履歴などが社内で情報共有されていない
・同じ顧客に別々の営業マンが訪問してしまったり、類似する課題を抱えた顧客への提案を過去に他の営業マンがしているにもかかわらず、その知見が共有されていない
・担当変更の際、新旧の引き継ぎがきちんとされておらず、顧客に同じことを何度も聞いてしまう
数え挙げればきりがないが、このような「KYな営業組織」から脱却し、「顧客視点」をもった営業組織に生まれ変わるには、どのようにすべきなのか。以下で具体的に見ていくことにしよう。
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