平均坪単価400万円超も
大手が牽引する京都の市況

 下に16年の京都で話題となりそうな注目6物件をまとめた。一部は今回の「人気マンション調査」にも掲載されているので、合わせてご覧いただきたい。

世界遺産「下鴨神社」の敷地で建設が進む「京都市左京区下鴨泉川町プロジェクト」

 とりわけ注目されるのが、下鴨神社の糺の森とは御蔭通を挟んだ駐車場跡を開発中の「世界遺産」物件として話題になった京都市左京区下鴨泉川町プロジェクト。御所東の梨木神社と同じ定期借地権付き物件(50年間)という点がどう評価されるか。竣工予定は三菱の御所東とほぼ同じである。

 先の三菱や野村不動産、大和ハウス工業といった全国区の大手デベロッパーが話題物件を打ち出すことで、この1~2年、京都の新築マンション市場は急速に高値を刻んできた。16年には平均坪単価400万円超の物件が確実に出る。

地元企業が手掛ける物件も完売に

 本誌9月27日号では14年1月から15年6月時点のデータに基づく京都新築マンションの平均坪単価ランキングを掲載したが、今回も不動産経済研究所の協力を得て、同様のランキングを作成した。

 1位が365万から346万円と若干低下したものの、200万円台後半の物件はむしろ増加傾向にあり、じわじわと価格が高騰している様子がうかがえる。御所まわりでは坪300万円超えが当たり前になってきた。

四条通に面した唯一の町家跡もマンションに

 京阪電鉄不動産や大阪ガス都市開発といった関西大手の関連会社が複数の案件を京都で同時進行させている。東京の中堅業者が関西の営業拠点を大阪ではなく京都に置いた例も出るなど、京都参入はブームの様相を呈している。
地元企業では、「イーグルコート」のダイマルヤ、「リソシエ」の田丸産業なども毎年新規案件を売り出している。

 この勢いはいつまで続くのか。不動産経済研究所大阪事務所の笹原雪恵所長は、「販売スピードが鈍化した『しんどい物件』と早く売り切れてしまう物件とに二極化、在庫が積み上がってきている印象」と分析、価格高騰と大手進出のしわ寄せが出ていると指摘する。

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