実際に通信コストを半減させた
事例から意思決定のプロセスを学ぶ
経済状況がますます厳しくなる中、「コスト削減」「業務効率化」はどの企業にとっても重要な経営課題。一方で、ここ十年近くの経営努力で「コスト削減はやりつくした」と感じている人も少なくない。しかし本当にそうだろうか。コスト削減をしづらい部分、あるいは見えていない部分はないだろうか。
その代表的な例が、ITシステムやネットワーク設備・回線だ。進化の激しい分野だけに、その時々の最新の設備を継ぎ足しながら構築してきて、いまや全体像がどうなっているのさえわからないという状況に陥っていることが少なくない。
ここでは特に、電話設備・回線の対策について考えてみよう。
<対策>
・電話設備・回線を一新
→大きな投資が必要になるため困難
→拠点が複数分かれている場合はPBX(電話交換機)の更改時期がばらばらでムダが生じる
・通信回線を個々に見直し
→システム担当者が少ないと実行が難しい
そもそもの問題として、IP電話や光電話、さらにはモバイル・セントレックスなどリリースされた新しいサービスを、部署や拠点ごとに別々に複数導入してしまっている場合は、まず全体像を把握することから始めなければいけない。
そんな中、浦安と京都、大阪で五つのホテルを展開するブライトンコーポレーションは、継ぎ足しで複雑化した通信設備・回線をクラウド活用で一新。内線電話網の維持コストを半減させただけでなく、営業担当の業務効率向上も実現させている。本企画では、同社の意思決定のプロセスをフロー図でたどりながら、その秘訣を探る。