九州大学工学部合成化学科卒業後、外資系企業の特許部などで12年間勤務したのち、青山学院大学法科大学院を修了し、弁護士登録。ビジネス経験を活かし、知的財産法務・企業法務を支援する
苦労して取得した特許が、競合企業に侵害される。商標登録した屋号やロゴが同業他社に真似されていると気づく。あるいは、「貴社製品は当社の特許を侵害している」という「警告状」が突然届き、商品の販売中止や回収、損害賠償まで求められる。
AK法律事務所が扱う案件の大半は、こうした企業の知的財産を巡る問題だ。特許をはじめ、実用新案、社名や製品名等の商標やデザイン、著作権など、手がける分野は多岐にわたる。依頼者も、メーカーを中心にIT、飲食、サービス業など幅広い。
代表の笠原基広弁護士が語る。
「知的財産を巡る紛争では、自分が権利者側の場合は相手が権利侵害していることを、防御側の場合は自分が権利侵害していないことを、相手に納得させなければなりません。弁護士にも、幅広い技術分野への理解が求められます」
技術への理解が深い
弁護士がサポート
九州大学で化学を専攻した笠原弁護士は、外資系企業に12年間勤め、そのうち8年は特許関連の部署で働いた。その経験から知的財産に関心を抱き、弁護士を目指したという。
「理系のバックボーンと企業での実務経験は、いまの仕事でも大きな強みになっています」
AK法律事務所では、笠原弁護士のほかにもIT企業の法務部に勤めていた弁護士や特許庁での勤務経験をもつ弁護士など、企業における実務や、特許の知識に精通したメンバーが揃っている。
「同じビル内の大手特許事務所と連携して、さまざまな専門知識をもつ弁理士と素早く協力できるのも、我々の強みです」
紛争解決の方法は、依頼者の意向次第。特許を守るため裁判で争う場合もあれば、ライセンスを与えて対価を得る道もある。
「警告状が届いたからといって権利を侵害しているとは限りません。ただ、問題発生から時間がたつほど解決が難しくなるので、なるべく早く相談してほしいですね。トラブルを未然に回避する予防法務にも、力を入れています」
従業員の発明の対価を巡る訴訟も手がけるほか、企業の「職務発明規定」の作成にも積極的に取り組むなど、AK法律事務所では知的財産に関わるさまざまなリーガルサービスを提供している。
「知的財産の保護を通じて、日本企業のものづくりや日本の社会を盛り上げる一助になりたい」というのが笠原弁護士の信条だ。
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